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luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

何故、日雇い派遣が禁止されたか。本来の派遣法の原点に立ち戻るために。

重いテーマの記事が続きます。昨日からの続きの記事ですが、下記の部分。

...まあ、契約期間を最初から「一ヶ月」みたいに設定している処は、不安定な契約をたてに、労働者を自分の都合の良いように使い捨てよう、と考えていると見て間違いはないと思いますけどね。

http://d.hatena.ne.jp/luckdragon2009/20130128/1359318638

派遣雇用についてあまり知らない人は、ここに込められた意味が分からないかもしれませんので、下記の記事を引きます。『日雇い派遣の問題と流れ - 日雇い派遣の問題と流れ ... - 総務の森』より。

日雇い派遣は、規制緩和が進む中で生まれました。人材派遣は、もともと、通訳やソフトウエアの開発など、専門性の高い仕事に限って認められていましたが、その後、2004年には製造業への派遣も解禁された結果、ほとんどの仕事に派遣労働者を送り込めるようになっています。究極の細切れ雇用とも言うべき日雇い派遣も広がってきました。

http://www.soumunomori.com/column/article/atc-53350/

これは、日雇い派遣禁止に関する記事です。
実際の派遣法の改正に関する記事は『改正に関するQ&A|厚生労働省』をご覧ください。
昨日、記事で書きましたが、本来の派遣法の趣旨と違い、専門的業務に限っての派遣ではなく、かつ、本来の期間限定契約が、「労働者を拘束しないもの」として設定されていたにも関わらず、「使用者側が自分の都合の良い契約期間を定め、それを強要する」という方向に歪められてしまっている、それが問題なわけです。
この問題の総てが、雇用期間の短さ、にある訳ではありませんし、総合的な対策が必要な事はあるのですが、ともかく、「雇用期間が30日以内であれば、日雇派遣の原則禁止に抵触」と、厚生労働省の説明にあるように、禁止期間がほぼ一ヶ月な訳ですから、それに準じるような雇用期間設定を平気で行っているところが、労働者側の安定雇用を思考しているはずが無い、という事です。


...私がわざわざ雇用期間に言及した意味が、分かっていただけましたでしょうか?
ちなみに、ざっと説明しますと、一般的に正社員と呼ばれる雇用形態は、「期間を定めない雇用契約」つまりは、労働者が自分が働かない、と宣言しない限りにおいては労働契約を保持する雇用形態となっています。
それに対して、有期期間雇用というのは「期間を定めて雇用する雇用契約」であり、本来の意味ではこの雇用期間は、拘束期間であって、その期間は「働かなければならない」期間だった訳です。そして、その期間を過ぎれば、自ら雇用契約を解除できる、という意味が本来の雇用期間の設定の意味*1でした。
その本来の労働期間契約が、企業側の恣意的運用によって、本来の運用意味を曲げられているところに、問題の本質がある訳です。
労働者の雇用不安定が問題な訳ですので、企業側が契約に対し、それを尊重する契約としているか、が重要となります。...もしかしたら、いわゆる正社員の方は、ここら辺の派遣社員の「いつ契約が更新されなくなるかも」という焦燥感を感じる事が難しいかもしれませんが、非常に重要なことなので、ちゃんと考えてみて欲しい、と思います。
...その方も歳をとり、有期雇用形態という労働形態になるかも知れないのですから。

関連リンク
派遣法の目指すもの - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック
日雇い派遣の問題と流れ - 日雇い派遣の問題と流れ ... - 総務の森
改正に関するQ&A|厚生労働省

*1:有期期間雇用の拘束期間の終了。