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派遣契約労働の実態に潜む、危うい「状況→当事者の原因転移」の話。

言うまでもなく、派遣契約労働契約自体は、派遣先でのスキルによっての労働行為に対する、それぞれの契約行為です。なのですが、名目上はそうであるはずの契約行為でも、やはり派遣社員自身の地位は、有期期間の雇用であるが故に、立場上弱い部分があり、多様な理由により、そのしわ寄せが「隠れた本当の理由*1での契約更新の停止」や、「実は違法行為なのだけど、実態は野放し状態の事前面接*2などを始めとする良くない行為」に現れている。
勿論、なかにはちゃんと法律を順守し、きちんと契約行為を守り、むやみな契約更新停止はしない、という企業もあるが、自己の企業体としての実態がうまく行っていない企業、つまりはブラックに実態が近い企業に対しては、やはり状況は厳しいようだ。
その中に、私がこれは困ったものだなあ、と考える一例に、現場の状況から発生している問題を、当事者に転移して、契約更新を停止してしまったり、相手に無茶をさせるようなケースだ。
私は IT業の現場を多く知るが、多くの場合、問題は当事者個人のみから発生する訳ではない。大抵、問題が発生する下地となる、現場自体の実態の状況がある。
派遣労働契約の場合、そういう状況下でも、本人を原因とした契約更新の停止ができてしまうので、現場の状況の問題を放置したまま、労働者当人を替えていく、みたいな事が平気で起こる。多分、これには帰属性の誤り*3、という心理的な要因も関与していると思う。


私が懸念している、危うい現場管理の内容の一つだ。
これのさらに問題な処は、真の問題がいつまでも解決しないで、その会社自身に残る処にある。つまり、その会社自身のためにも、実はならない。

*1:本来の理由を明記すると、違法行為となってしまう事から、その理由を明記せず、他の理由を使って、それを行う。インタビューや、調査を行うと、かなり目立つことに気づく。ただし、状況が明確に判明しないため、なかなか表面化しにくいのではないか、と推測する。はっきり表れるのは、かなり長期に契約更新される雇用者が、特定の企業では極端に契約が短期になるような、ムラのある契約期間になるケース。

*2:参考 派遣社員の事前面接は違法 | 労働基準法違反を許すな!労働者

*3:参考 帰属におけるエラーとバイアス