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色々と残念な映画、「歓喜の歌」

ネタバレありますので、ご注意ください。

これは落語のまま、だった方が良いのでは? と思ってしまった。映画、さらにはドラマにもなっているようなのですが、そこまで盛大に映像化してしまうと、色々と残念な処が出てくる。
金魚の件は完全に違法行為*1だし、合同開催のためにホールを改装って、いったい幾つの無理やり行為を重ねた事*2やら...。
ラストのリフォームの失敗修繕だって、丈を切って揃える、というのを客が許す、というのも落語では笑ってられるけど、映画で映像化してしまうと、リアリティ的にどうなのかな。
映画の筋的にも、ラストでせっかくコーラスグループが合同で、みたま文化会館主任夫妻のために歌を歌ってくれると言っているのに、肝心の歌うシーンが無い。
歓喜の歌はベートーベン交響曲、第九番「合唱付き」の合唱部分の抜粋ですが、これ女声二部*3でやるというのも無理があるような*4。あれは混成でやるからこそ、聴きごたえがあるので。
実際、映画はピアノ伴奏、女声二部の音がしていないように思うのですが...。
よくよく聴き直してみると、最初だけですよね。ピアノ演奏、女声二部なのは。しばらくしてオーケストラ演奏の音がしてくるし、最後の方は男声の音までしています。
そもそもママさんコーラスの話で、こういう肝心な部分で嘘が入るというのはどうなのかな。女声コーラスの話であるのなら、女声二部合唱で押し通してほしかったですね。合同開催を決めるにあたっての試し合唱のシーンで、ソロを聴かせる*5部分とかは良かったのに...。


ちょっとリアルな話をしてしまうと、各地の合唱サークルや、演奏会をやるような社会人合唱グループでも、実際には真剣に合唱やるメンバーが一部だったり、真剣にやりたいメンバーが練習に参加する事が難しかったり、いろいろ悩みがあるのね。そこら辺の描写*6があったりして、コーラスの開催の悩みを描写してくれたら、残念な感じが無くなったかもしれない*7。落語は落語のまま、楽しんだ方が幸せだったかも。

*1:私物の窃盗行為。共犯者までいる...。

*2:そもそも工事は一日では無理だろうし、建築許可の問題あるし、そもそも工事のお金は何処から? 工事自体も多分市議会の認可が必要。

*3:つまりは、女声ソプラノとアルト

*4:ついでに言うと、メサイヤ第二部トリの「ハレルヤ」も出てきますが、あれも混成四部の曲で、これを女声二部でやると、高音部が強く出過ぎてしまうのですよね。助っ人で男声が入って開催というのは、映画の趣旨とは異なってくるのですが、彼女らにも旦那さんはいると思うので、そういう助っ人が入るという筋でも良かったように思う。そこも合同という感じで。  そこら辺の描写で、色々なものになりたがりな旦那さんの設定を生かしても良かったのでは。

*5:始まってから 1:04:30 あたりのシーンですね。これも結局、最後まで聴けないけど。

*6:リフォーム屋さんの描写はあったけど、一人だけだよね。あの映画だと。

*7:リアル系の話を続けると、安田成美さんの役が指揮者なのが、微妙にリアル。今は歌唱力は改善されているかも知れないですけどね。