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映画「くちびるに歌を」こぼれ話。フライシュレンの詩。

今回の内容は映画の筋に関係しますが、さほど大きくネタバレする内容ではないので、未見でも読んで構わないと思います。ただ、気にする方は映画を観てからどうぞ。

映画の隠れ設定みたいな形で、合唱部のピアノの脇に掛かっている標語?みたいな言葉の紹介をします。
映画のタイトルにもなっているのですが、額に三行縦書きで書いてありますね*1

くちびるに歌を持て
勇気を失うな
心に太陽を持て


これ、調べると、ツェーザー・フライシュレンの「Hab Sonne im Herzen... 」という詩の翻訳です。山本有三による翻訳が広く知られているようです。
実は歌にもなっていて、くちびるに歌を あたりに詳しいです。原詩、翻訳もそのページにあります。
ところで、出産で休職中の合唱部の顧問。苦悩するピアノ奏者の友人ですが、映画内で「笑って。明るく朗らかな調子で。」という台詞があります*2
これ、よくよく調べると、詩の中に同じフレーズがある事に気がつきます。

唇に歌を持て、
軽く、ほがらかに。


原詩の趣旨は、どんな時にも笑顔を忘れずに、心に太陽を持ち、くちびるに歌を、つまりは歌う事を忘れないようにしよう。苦しんでいる人にも、励まし、歌を持ち続け、明るくいる事を忘れないようにしてもらおう、となっています。
特に強調されるわけではないのですが、何気に映画の内容に関わっていたのですね。


元々、この詩の全部と、その意味を知っていれば、映画に出てきた時に、そこに置かれている意味*3に気がつくかもしれません。
元々が学校の標語にも関わり深い詩のようですが、知っておくと映画の内容がちょっとだけ、さらに楽しめると思います。

参考リンク
くちびるに歌を
心に太陽を持て

*1:実は縦書きではありますが、書かれている順番は違います。私はこちらの方がしっくりくるので、並び替えています。

*2:冒頭、合唱部が部活勧誘のために、マイバラードを歌うシーンで。このシーンは、実は最後の方の伏線になっています。

*3:登場人物たちに語りかけ、励ましているフレーズ。