luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

音楽を聴く楽しみに、一番大切なものは何でしょうか。

ヘンデル作曲メサイヤ、第二部の終曲が「ハレルヤ」です。この曲が始まった際に、起立する必要はありません。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック の続きかも知れない内容。前回の記事は、過去の逸話から生じる、少々困ってしまう余分な知識について述べています。
前回の記事から醸し出される、少々皮肉っぽい調子が気になった方もおられるかもしれませんが、実際、演奏者にとっても、演奏を楽しむ方向性以外の妙な知識の披露は、あまり歓迎されないものがあります。
音楽と言うのは、文字通り、音を楽しむものです。鑑賞に来た聴者に妙な縛りを与えて、演奏会を楽しむ雰囲気に水を差すとしたら、無粋としか言いようがありません。
触れた内容は、それをする事により、他の観客の楽しみを時に邪魔するものですよね。でしたら、あまり歓迎されるものでは無い、という事をちゃんと知るべきです。したり顔で、その知識を披露したところで、その知識が、鑑賞に邪魔でしかないのなら、本来、音楽を楽しむために何が必要かを考えた方が良いです。
そんな無駄知識を後生大事に覚えるくらいなら、「メサイヤ」の楽譜*1でも手に入れて、曲の聴かせどころが何処にあるかと想像を巡らすくらいの方が楽しいです。
メサイヤ」は、キリストの生まれから、受難、復活、そして、その後の未来*2を描いた合唱曲で、一番肝心な部分をソロではなく、混声合唱で歌う、という処に特徴があります。このため、メインとなる合唱の部分で、各パートの声が多様に響いてくるので、歌う方も楽しいですし、聴く側にとっても多様な楽しみがある、味わい深い曲だと思います。
全曲やるとなると、二時間半くらいになってしまうので、休憩をはさむ事も多く、長丁場になりますが、それだけに味わい深く、とても楽しい曲です。長いお蔭で、各部色々な聴き方が出来ます。妙な知識で、そういった多様で重厚な楽しみを損ねてしまうのは、とても惜しいです。


...ちょっと長くなってしまいました。曲調の多様な楽しみについては、また機会を改めて書く事としたいと思います。音楽は、音を楽しむ姿勢が大事かと思いますよ。

*1:オーケストラのスコアは知りませんが、混声合唱の部分のスコアであれば、ひどく高い訳でもありません。

*2:第三部は、現在以降の時代の話とされています。某トランペットが奏でられるのも、第三部です。「48. Air "The Trumpet Shall Sound"」