『血液型の話、第一話「表と裏の試験」。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック』の番外編、みたいな話です。...ちなみに、「血液検査 表試験 裏試験」で検索すると、並み居る医療機関のページに混じって、私のページが上位に来ます。...なんか、責任を感じてしまいます(苦笑)。
冒頭の要素は亜型や、血液キメラなども考えられますが、『輸血検査』のページより。
3)オモテ試験とウラ試験不一致の原因と血液型判定を誤る原因
(1) 技術的な誤り
a.検体の取り違え
b.検体や試薬の細菌汚染や劣化
c.試験管の汚れ
d.試薬と血球濃度が不適当
e.反応の温度と時間
f.遠心の強さ
g.溶血反応の見落とし
h.フィブリンの析出(2) 血球側の原因
a.赤血球の抗原が極度に弱いか,欠如している
b.自己抗体によって血球が感作されている
c.後天性の抗原低下や抗原獲得
d.汎血球凝集反応
e.異型輸血後(3) 血清側の原因
http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/yuketsu/yuketsukensa.htm
a.血清中にA型,B型物質が異常に増加している
b.血清中の抗A,抗B抗体が低下または欠如している
c.血清中に不規則抗体が存在する
d.寒冷凝集反応,連戦形成など
e.母親由来の抗A,抗B抗体が存在する
f.高分子の血漿増量剤,薬剤の使用
...要因、凄く多い...。
元々、試薬での抗体反応をみる試験ですので、反応が弱かったりすると判定を誤るでしょう。また、項目に挙がってますが、薬剤投与下や、異型輸血後でも、本来の本人の血液の状態から離れた状態になってしまっていて、判断が難しくなるのでしょうね。
以前に取り上げましたが、出生直後に母親由来の抗体が存在している場合などもあります。また、記載にはありませんが、子供の抗体生成機能がまだ弱くて、血液中の抗体反応がうまく出ない、という状態*1もありますね。
元々抗体の反応を診ている訳ですので、「後天性の抗原低下や抗原獲得」という理由も出てくるのですね。
『血液型 表検査と裏検査の不一致 - 医療 解決済み| 【OKWAVE】』のような質疑の内容があって、「再検査の結果、寒冷凝集素があることが原因」と書かれていたので、「寒冷凝集素」って何ぞや*2、と調べてみた。
『寒冷凝集素について教えてください。そもそも、マイコプラズマはじめ、さまざ... - Yahoo!知恵袋』という質疑がありまして。...参考としている『えんしんぶんり 2002年9月1日発行 Vol 11』からの内容では、「寒冷凝集素反応は、低温により赤血球が集塊を形成する現象」という事のようですね。
原因不明の特発性ならともかく、疾病由来の続発生だったら、心配になると思いますが、この現象も生来のものがあるようで、人間の体の状態というのは、なかなかに複雑なものだ、という感を強くします。
血液検査の話、本当は続けるつもりはなかったのですが、調べたら色々出てきましたので、もしかしたらもう一回くらいは続くかもしれません。今日のはここまで、とします。
関連リンク
『血液型の話、第一話「表と裏の試験」。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック』
『輸血検査』
『http://www.san-kiso.com/sonota-taijiketugata.html』
『本当の親子なのにABO式血液型があわないことがありますか。』
『血液型 表検査と裏検査の不一致 - 医療 解決済み| 【OKWAVE】』
『寒冷凝集素について教えてください。そもそも、マイコプラズマはじめ、さまざ... - Yahoo!知恵袋』
『えんしんぶんり 2002年9月1日発行 Vol 11』
*1:『http://www.san-kiso.com/sonota-taijiketugata.html』の「新生児は赤血球のA抗原やB抗原の抗原性が弱く、検査の時にうまく反応がでない」の内容。調べたら『本当の親子なのにABO式血液型があわないことがありますか。』というページもあった。実際、この親からはこの血液型しか生まれないんだ、と主張する人は居そうですね。...なので、実際には違う場合もある、という事を記載したページも必要になるわけです。血液型の誤検知で不倫とか言われてしまったら、それこそ取り返しがつかないトラブル、発生しそうです。
*2:前述の検査結果相違の項目リストにも出てくる。