luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

「血液型を知っておくこと」は、重要ではない。...そもそも、血液型は抗体分類法であり、本当の血液型分類は多様で曖昧。

生活習慣についての記事は少しお休みして、血液型の事前検査の不要さ、の話を少し。
http://sankei.jp.msn.com/smp/life/news/130320/edc13032008520001-s.htm』の記事を見かけた。そこに少し出ているのですけど、「何故、子供の血液型検査をしないか」を知っていますか?
かつて、私の記事『血液型の話、第二話「子供にまつわる、血液型検査の不確定さ」。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック』でも書いたことなんですが、子供の頃の血液型検査は安定しません。
血液型検査には、表試験と裏試験があります。そもそも、正確性を求めるためにそういう検査方法がある、という事を知らない場合*1があると思いますが、実際の血液検査は、赤血球と血漿、双方の反応検査になります。
子供の血液検査は、年齢によって違うのですが、これらの検査の反応が正しく出ません。
http://www.san-kiso.com/sonota-taijiketugata.html』より。

新生児は赤血球のA抗原やB抗原の抗原性が弱く、検査の時にうまく反応がでないことがあります。例えば、A型が抗原性のないO型と誤判定されることがあるわけです。

http://www.san-kiso.com/sonota-taijiketugata.html

血漿についても、「抗体は出生直後は母体からの移行した抗体が存在しますが、1年後くらいにはほぼすべての児が自分で抗体を産生*2」という事ですので、何れにせよ新生児では正しい反応は出ません。
双方の反応試験を照らし合わせる、という事から考えると、五歳くらいまでは安定した試験結果にならないため、待った方が良いよ、という事になるわけです。
また、血液検査を行ったからと言って、医学的な治療や判断が必要となるケースは別ですが、それ以外に調べる必要はないので、記事などでも医師が、特に知らなくても良いですよ、と言っているわけですね。


「血液型は、輸血のために知っておく必要があります。」と言われる方がいるかも知れませんが、輸血の際にはそのために必要な血液検査をやり直しますし、血液凝固などの防止のために、交差適合試験が医療行為のルーチンに組み込まれていますので、不要ですよ。
ただし、ご本人が稀な血液型で、適合する血液型がない場合が懸念されるような場合には、そういった場合の相互協力の連絡網などを保持する必要がありますので、そういう場合かどうか、を知っておく必要はあるかとは思いますが。
なお、各種の血液型には亜型が存在しており、一番単純だと言われている ABO血液型方式でさえも、実は分類は多様であるということは、『http://www.hokkaido.bc.jrc.or.jp/medical/medical_info002.html』を見ると分かります。医療機関向けの資料なので、細かく説明はしませんが細かく分類がありますね。
単純に考えていた事が、実際の内容を調べてみると、「複雑な内容に対して説明を端折っているゆえ」という事はありがちなので、単純に即断しない方が良いですよ。

関連リンク
http://sankei.jp.msn.com/smp/life/news/130320/edc13032008520001-s.htm
血液型の話、第二話「子供にまつわる、血液型検査の不確定さ」。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック
http://www.san-kiso.com/sonota-taijiketugata.html

赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドラインについて
http://www.hokkaido.bc.jrc.or.jp/medical/medical_info002.html
今、仰天ニュースで、血液型にモザイク型とキメラ型があるこ... - Yahoo!知恵袋

*1:耳たぶから血液をとって、試験紙にて反応を見るやり方しか知らない場合もあると思いますが、試験方法を正確に行う場合は、輸血の場合などは『赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドラインについて』に記載されたような方法をとるのです。かなり細かな、検査内容があります。 そして、その場合、その目的は適切な輸血などの医療行為を行うためであって、血液型というものを知るために行うためではありません。 ややこしいのですが実際には血液型には多様な亜型があります。多様な亜型については『http://www.hokkaido.bc.jrc.or.jp/medical/medical_info002.html』を参照のこと。  また、血液型にはキメラ型みたいな特異なものもあります。それについては『今、仰天ニュースで、血液型にモザイク型とキメラ型があるこ... - Yahoo!知恵袋』を参照のこと。

*2:引用の出典は、前述部分と同じ。