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血液型の話、第一話「表と裏の試験」。

昨日、血液型のエントリーを書き始めたら、書くことが多過ぎて終わらなくなってしまったので、連載にして、今日は血液型検査の話を書こうと思う*1
血液型検査の話にしても、遺伝子型*2、各分類法*3、試験方法*4とか書き出すと、またもや終わらなくなってしまうので、今回は 赤血球ABO方式に限定しての話とします*5


さて、若干年齢が多目の方で、子供の頃、耳たぶの血を採り、血液型を判定した記憶のある方はおられるでしょうか。今では不正確ゆえに廃れているそうですが、これは「表試験(赤血球側検査)」のみを使用した、抗原と、坑A血清/坑B血清との反応を見る血液型検査です。
e-血液.com - 血液型検査』に検査の表が載っていますが、A抗原とB抗原が検出されたかどうか、を確認して、A型、B型、AB型、O型を判定します。
現在では、さらに「裏試験(血清側検査)」として、血清(血漿)に含まれる抗体と、A型血球/B型血球との反応を確認し、双方の結果が一致したことにより、血液型を決定する方式がとられています。
この表試験と裏試験に、同一の血液から採られた赤血球と血漿が必要となるため、耳たぶからの採血ではなく、静脈から採血した血液が使われます。


なお、詳しくは明日のエントリーで書く予定ですが、出産直後の新生児では、裏試験で使用する血漿中の抗体は、母親由来となっており、裏試験は行えません。また、表試験で使用する赤血球の抗原も、抗原性が弱い状態となっています。
つまり、生まれたばかりの血液型判定は不確定な結果となりうる、という事になります。


また、『http://www.hokkaido.bc.jrc.or.jp/medical/medical_info002.html』を見ていただければ分かりますが、実際には各血液型には亜型が存在しており、血液型だけ判明しても、実際の輸血血液では違う型として取り扱わなければならない場合*6があります。

関連リンク
耳たぶの採血、もしくは血液型検査 - Togetter
微量採血のための穿刺器具による 採血時の注意について

e-血液.com - 血液型検査
ABO式血液型の問題点について : 介護老人保健施設銀花
血液型と検査法 〜ABO・Rh式血液型〜

http://www.san-kiso.com/sonota-taijiketugata.html
http://www.hokkaido.bc.jrc.or.jp/medical/medical_info002.html
コンピュータクロスマッチの導入効果 ―交差適合試験で抗グロブリン法を省略した利点とリスクの検討―
今、仰天ニュースで、血液型にモザイク型とキメラ型があるこ... - Yahoo!知恵袋

新生児溶血性黄疸とはどんな病気か|症状や原因・治療|六訂版 家庭医学大全科 - gooヘルスケア
新生児溶血性疾患の病態と治療 船戸正久 淀川キリスト教病院小児科

*1:ちなみに、本エントリーに限らないが、医療情報については、当然ながら、近隣の医療機関の方が確実な情報を提供可能なので、記事は参考情報に過ぎない事を、念のために申し添えておく。

*2:A型...AO, AA, A型亜種。

*3:赤血球...ABO/Rh、白血球...HLA等。

*4:ちょっと書ききれないので省略。関連リンク先参照。

*5:細かな資料を見たい方は、『e-血液.com - 血液型検査』『ABO式血液型の問題点について : 介護老人保健施設銀花』『血液型と検査法 〜ABO・Rh式血液型〜』等を参照してみてください。

*6:この内容もリンク先にあります。