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道路工事のちょっとした誤解を解く。

視点を少し変化すると見えてくるものがある。
私は特にそうは思っていなかったが、「無駄な工事をしている。」という偏見を披露する人がよくいて、その根拠の一つに、これから説明する内容の「同じところを何度も工事」という話があったような気がする。
良くみると、実は「同じところの工事」ではないし、「同じ工事をしていない」よ、という話です。
道路工事のほとんどは「道路で工事」 - Togetter』より。

道路工事で同じ場所を掘る理由その1。道路を掘って管を埋めた場合、しっかり埋め戻しても僅かに沈下してしまう。そこで、舗装して1週間以上放置し、舗装をはがして少し広めに舗装し直すのがルール。家を新築したりすると、水道ガス下水とこれを繰り返す。

http://togetter.com/li/217181

確かに、一回工事したなあ、と思った後に、再度同じ場所で工事しているなあ、と思ったことはある。
実際には道路下に敷設してある各種送出管の工事を行った後、道路沈下の対策を、間を置いて行っているのね。
この内容だと、実際の工事の後に、もう一回同じ場所の工事になるから、多数同じ場所の工事をやっているように見えるけど、実際には必要な、複数回の工事なわけですね。
そもそも、道路下には多目的な地下導管を使っているところは別として、各種の送出管*1は各自に走っているので、それぞれの工事と、それに伴う道路の補修工事が必要になると思う。

道路工事で同じ場所を掘る理由その2。幹線道路でよくあるパターン。小さな工事や補修を繰り返した道路はツギハギになり、車は走りづらく、継ぎ目で騒音は出るし、振動で路面の傷みも進みやすくなる。そこで、10年ぐらいの間隔で表面を5cmほど削り、全体をきれいに舗装し直す。

で、この10年ごとの補修工事の後、数年間は掘削工事を禁止する。だって、せっかく直したのにもったいないから。そこで、補修工事の前に関係各所に「こんど、補修工事をしますから、掘削工事をしたい人は今のうちにやっちゃって下さい」と連絡する。

http://togetter.com/li/217181

これは、各種の工事がそれなりに時間をかけて継続的にされる場合の内容ですね。それぞれの工事が計画的に続く*2ので、同じ道路で継続的工事が目撃される、と。

道路工事で同じ場所を掘る理由その3。道路に埋まっている下水管が老朽化して、交換しなければならないとする。しかし道路を何週間も通行止めにするわけにはいかない。

日中は影響を最小にとどめておき、夜中にフェンスを並べて一気に作業帯を作る。そこに重機を搬入し、掘削して管を交換、埋め戻して舗装をし、全てを片付けて朝には交通を通す。

一晩でできるのは数m、ということもある。しかし、その前後数十mに渡って重機が並び、道路を狭めるフェンスはもっと延びるから、毎晩同じ場所で同じ工事をしているように見える。実際には数mずつずれているのだが。

http://togetter.com/li/217181

これは実際の交通を阻害しないために、交通の事情を考察して、作業帯を可変的に変化させて作業している。
実際の作業が 数m でも、重機が並ぶのは凄く長いし、当然作業員がいるスペースもあるから、長々と広範囲を工事しているように見える。実際にはゆっくりと工事帯が移動していっている、という事ですね。


これはなかなかためになる知識でした。
ちなみに、家の近くで数ヶ月前に工事あったんですけど、工事自体は一気に終わったんですけど、何か道路全部を一気に工事したお陰で、一時的に全然通行できなくて難儀した覚え*3がある。
土木工事って色々知られていないせいで、まだまだ誤解も多いように思う。こういった知識は、理解のためにも広く流布してほしい気がする。

関連リンク
道路工事のほとんどは「道路で工事」 - Togetter

[]*4

*1:上下水道、都市ガス、電気(地下埋設分)など。光ファイバは良く知らないので、後で調べてみようかな。

*2:その後、数年工事をしないのであれば、必要な工事をそこでするわけだから、それ故に集中する。

*3:何か、通知不備があったらしく、広報周知されなかった。お陰で、色々大変だった。

*4:ちなみに、建機のこういうミニカーとか、ディスプレイモデルとかはかなり好き。