http://www.disney.co.jp/movies/merida/
原題は「BRAVE」ですが、日本語タイトルがかなり違う。物語的には、原題の方が背景にほのめかされる教訓を醸し出している感じかな。
日本語名であらすじを想像していると、実際には違う話*1なので、少し驚くかも。まあ、タイトルでネタバレするわけにもいかないので、そこら辺はご愛嬌でしょう。本記事では、ネタバレはほどほどにしておきたいとは思いますが、物語を新鮮な感覚で楽しみたいのであれば、観てから読んでください。
王女メリダが自分の身分における制約や、義務、しつけなどに忌避感を持ち、自由になりたい、と森に行き、とある魔法を授かった事からくる物語です。ストーリーのネタバレを防ぐために、これ以上は語りません。
魔法が発動した後の色々な出来事で、自分が諍いを起こしていた相手との絆に気づき、そして過去に自らを守っていた相手との記憶に気づきます。また、相手もメリダとの困難な会話*2を試みるうちに、相手との会話が正面切ってのものではなくなっていた事*3に気づきます。
親子の会話は、子供の独立心や反抗期などを経て、似たような経路を辿りがちですが、親と子だって最初はかなり距離も近く、話すのも互いの顔*4を見ての会話だったはずで、そういった過去の記憶を辿っていくのも、不仲になった親子関係には必要なのかもしれない、と思う。親にせよ、子供にせよ、相手は○▽で会話しても仕方ない、と言っている内容が、実は互いの思い込みの産物っていうのはあり得そうですからね。
勿論、作品は物語に過ぎないので、実際には、互いの思い描いている相手の性格が本当にそういう性格であって、「互いに離別し、子供が独立していくのが得策だ」という親子関係も多いとは思うが。ともあれ、過去を思い出すことで、未来の関係がより良くなる場合も大いにあり得ると思う。
メリダが絆を取り戻していくうちに、その影響を受けてか、王国に生じていた諍いも修復されていく。どういう内容なのかは作品を観てください。
なお、物語で語られる過去の王国の伝説は、作品を観ていくとある程度顛末が判明するようになっており、DVD 等に付いているボーナスコンテンツでは、実際に起きた出来事が説明される。映画単体でも、勘が良い人は察することが出来ると思う。
物語の筋としては、ごく普通の内容でしたが、結構面白かったです*5。
ちなみに、禁忌である森に踏み込むことも、魔法を使う事も実は問題点ではなく、自己の我欲に陶酔してしまう事が真の問題点ですよね。別に、禁忌となる森の魔法を使う事で破滅に至るわけではないので、予告編はいわゆるミスリード*6してますね。
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