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「公平世界信念」とはどういう論文か。

資料 - 公正世界信念の基本概念について - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック での、「公平世界信念」の指摘記事がリンク切れで情報不足になってましたので、訂正記事をあげておきます。
間違った定義の言い方をしているツイートの原文は、こう書かれています。

「努力すれば報われる」に代表される、世界は正しく動いているはずだという考え方を公正世界信念といい、この信念が強い人ほど、少数者や弱者への否定的な態度を持ちやすい。という話を知ったときは、社会心理学を学ぶ中で一、二を争う衝撃だった

https://twitter.com/t_tetsushi/status/209279103994576897

「この信念が強い人ほど、少数者や弱者への否定的な態度を持ちやすい。」という話ではありません。「この信念が強い人ほど」という部分は、理論の内容には入っていません。
論文の原文は有料なのですが、PsycNET - Display Record( Experimental Research on Just-World Theory: Problems, Developments, and Future Challenges. Hafer, Carolyn L.; Bègue, Laurent Psychological Bulletin, Vol 131(1), Jan 2005, 128-167. ) で読むことが出来ます。
公正世界信念について: 晴れの日は、えっちらおっちら によれば、下記内容とされています。

 『公正世界信念』

1980年にラーナー(Lerner)という人が発表した仮説によれば、

私たちは、私たちの住む世界が、よい人にはよいことが、悪い人には悪いことが起きる公正な世界であるという信念を持っており、悪いことが起きた被害者には、その被害を引き起こす何かがあると考え、その責任を求める

http://frog-beee.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-613c.html


つまり、ツイートの内容を書きなおすとしたら、「少数者や弱者への否定的な態度を持った時に、世界は正しく動いているはず、という公平世界への考察がおこなわれている。」という事になります。


実際に物事が起きた時に、私たちはその原因を知りません。故に、私たちが勝手にその原因を決めつける事は出来ませんが、私たちはそれをやってしまいがちです。
ですが、それは私たちが(公平にではなく)幸運にも、その不幸せに出会わなかったからです。実際に、不幸せに出会ってみれば、それが世の中に実際に存在している不幸せで、それに自身が出会う事もあるのだ、と知る事になるでしょう。