世の中、もしかしたら一般には誤解されているかも知れない病気の対処の方法、というのはあり、ちょっと気になったので書いておく。...多分、間違えていないとは思いますが、もし医療上、間違いと思える内容がありましたら、twitter@rt_luckdragon にお教え願います。
世の中、アナフィラキシーショックで亡くなる方*1がいる、そしてアレルギー関係で、エビペンを持っている人がいる、というのは知られているようだ。
だが、エビペンを注射する際に、時々聞かれる、「アナフィラキシーショックでもないのに、誤って対処してしまって...」という会話に、ちょっと気になったので調べてみたのだが、アレルギー反応が起きると懸念される事態だったら、明確にその症状でなくても、エビペン打ち込んでしまって*2構わないみたいですよ。
『学校のアレルギー疾患に対する取り組みQ&A|テーマ別関連ページ|学校保健ポータルサイト』より。
Q14. アナフィラキシーではないのに誤ってエピペンを打った場合、どのような反応が起こるのでしょうか。後遺症が残ったり、生命に関わったりすることはないのでしょうか。
A 正常な方にエピペンを誤って打ってしまった場合には、ほてり感、心悸亢進(心臓がドキドキすること)などの症状が起こりますが、あくまでも一時的な現象です。15分程度で元の状態に戻ります。エピペンの注射液の主成分はアドレナリン(あるいはエピネフリン)と呼ばれ、われわれの体内にある副腎髄質というところで作られるホルモンの一種です。緊張したときにドキドキする原因の体内物質です。
http://www.gakkohoken.jp/modules/pico/index.php?content_id=40
あと、これは以前にコメント頂いていたので、NATROM さんのところのコメント欄から引用。
n 2010/08/28 11:43 >小野さんも含めた皆様
(中略)
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20100819#p1
なお、私が彼女らの行為を「愚か」と言っているのは、もはや決してホメオパシーのせいではありません。私の最初の書き込みの繰り返しですが、医師なら常識である以下の理由からです。
「(1)気を失ったり本物のショックに陥ってからではなく、エピペンは初期症状を感じた時点で緊急に使うべきとされる薬剤であったこと」
「(2)アナフィラキシーはいったん回復したように見えてもかなり後から急激に重篤な症状を再発することがあるので、どんなに落ち着いていても24時間は厳重に経過観察するべきであるところ、湯船で1人にしてしまったこと」
...つまり、何か変な状態が感じられたのであれば、躊躇せずに打つ事が重要であり、早まった等の不安を感じる必要はない、ということです。実際の症例については『アナフィラキシーショックだ! 緊迫の救急現場』を参照してください*3。
医療法上も教職員等が、本人に代わって自己注射を行うこと問題ない*4、とされています。後、これは判例を調べないと分かりませんので推測ですが、命に関わる事態の場合には、依頼があれば第三者も、「緊急避難的には許される行為*5」のはずです。
本日はメモ書き風記事でした。
なお、エビペンは注射器というよりは、一般の方が使えるような配慮から、あまり使用法を悩まず打てるような構造になっており、ある意味では AED*6と同じですね。
関連リンク
『http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121221/dst12122113230005-n1.htm』『http://aha-ecc.jp/epipen.html』
『知っておきたいアナフィラキシーの正しい知識 7 アドレナリン自己注射製剤「エピペン®」を処方されている場合 社団法人広島県医師会』
『学校のアレルギー疾患に対する取り組みQ&A|テーマ別関連ページ|学校保健ポータルサイト』
『2010-08-19』
『アナフィラキシーショックだ! 緊迫の救急現場』
『” ???????????????????????? | ?????R?????????』
*1:『http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121221/dst12122113230005-n1.htm』
*2:エビペンは消毒も不要ですし、注射というよりは、単純に打ち込むだけです。そういう装置です。参考→『http://aha-ecc.jp/epipen.html』
*3:引用しすぎると、著作権上の引用要件を超えてしまいそうなので。
*4:参考『” ???????????????????????? | ?????R?????????』
*5:参考『緊急避難 | 法律事務所・弁護士への相談ならLegalus』
*6:あれも、ほぼ自動装置。