luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

物事の前後で起きたことを、因果関係と取り違えるな。

伝え聞くところによると、阪大の騒動では、公開されていない医療情報を根拠とした、とある主張がなされたらしい。
情報が限定されているので、即時にそれを起きた総てだとは言う心算が無いが、起きたことを素直に考察すれば、一般に言う「前後即因果の誤謬」があったように思える。
「前後即因果の誤謬」については、それが本当の原因? −前後即因果の誤謬 | GLOBIS 知見録 あたりを参考にしてください。要は、物事の前後で起きたことを、勝手に因果関係に結びつける誤りです。
元々の主張「早産や帝王切開が増えた」についても、母集団の傾向、その時の状況を捉えないと相関内容は不明である。つまりは、サンプルの集団の傾向を丹念に分析しないと、それらの集団の傾向は見えず、そもそも相関関係を明確にいう事は出来ない。高齢出産が多い、日本の産婦人科の事情は、そんなに簡単に発生要因を絞り込めるものでは無いであろう。
そもそもが相関関係を見るのにも、慎重を期す必要があるのに、そこから一足飛びに、因果関係に特定要因を持ち出すに至っては、本人の思考に明らかな思考バイアスがあると見ても仕方がないと思える。通常は安易に結論に飛びついたりはしないからだ。


ここで阪大の騒動から離れるが、日常でも、これと同じことをしていませんか。
曰く、「とある人物が来てから、製品のバグが増えた。」「とある人物が参加すると、海が荒れる」「女性が山に入ると、嵐が起きる」等など。
人は観たいものを、見ている情報から選び取ってしまう。自分の心の深層にある推量に、懐疑的でないと、人は誤りに陥り易い。
起きたことを単純に批判するのではなく、そこから反面教師としての、日常への警句を掴み取っておきたい。