はてなブックマーク - jugement:AV出演を強要、断ったら違約金を請求された訴訟のその後: Matimulog のあたりを見ると、かなり勘違いをしている人が多く見られるのですが、判決文*1 を読むと、実際の判決文の根拠はそうではない事が分かります。
これ、実際の弁護士のサイトとか、AV出演を拒んだ女性に芸能事務所が「違約金2460万円を払え」東京地裁が請求棄却|弁護士ドットコムニュース のような、ちゃんと法律関係を明確に記載しているところを読めば、しっかり書いてあるのですが。
民法628条、「やむを得ない事由による雇用の解除」によるものです。
他契約もあるので、未成年という事情もあって、民法5条2項なども出てきていますが、基本的なところは、民法628条「やむを得ない事由による雇用の解除」です。
該当の雇用形態が、雇用契約としての期間の定めのある雇用契約の形態*2とみなされ、この条文「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。」により、当事者の申し出により、雇用契約がただちに解除されたとすることが出来るから、雇用契約を根拠に損害賠償の義務を負わせることが出来ない。故に、裁判によって請求されている損害賠償請求は棄却する、という事です。
私、時々、判決文を読まないと良く分からないが、とか言います。これは、このように思い込みで判決文を断じると、実際の判決文がまったく違うモノだったりすることがあったりするので、注意が必要なために、そういう事を言っています。
自分が法律に詳しいつもりでも、現実の実務は色々な事がありますので、ちゃんと調べてから、言った方が良いと思います。
関連条文
民法 第628条
(やむを得ない事由による雇用の解除)
当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。