luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

環境省、エコチル調査関連で判明してきた、別の側面。「自閉症の増加は真か偽か。」

出産時の「臍帯血提供*1」「臍帯血バンク」を継続的に今週追っかけているのですが、それに関連して出てきているのが、自閉症の発生の増加の話題。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/61913.html』に出てきているのですが、下記に。

自閉症はこの20−30年で急激に増加しています。
・報告によって数字は異なるものの、自閉症は10倍にも20倍にも増えたとされています。
・この急激な増加は診断医師の技量の向上などによる、即ち見かけ上の増加だとする考えもありますが、それを差し引いても自閉症が真に増加していると考える専門家は少なくありません。遺伝的因子では説明できないくらいの、なぜこの20−30年でこんなに急激に増加しているのか。

http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/61913.html

まあ、確証バイアスが入っている可能性もあるので、もう一つ、記事を紹介しておきます。*2
http://www5d.biglobe.ne.jp/~yamabiko/dr_toukou2.htm』より。

自閉症の頻度にかんする研究をみても,1960年代以来30年もの間,1万人当たり4〜5人という数値が定説でしたが,1990年代に入ってより高い頻度を報告する研究が増加し,1990年代後半には1万人当たり15人を越える報告が次々と出されるようになりました。さらに自閉症スペクトル全体では1万人当たり100人前後という推定や報告もあります。「自閉症の頻度増加」は,いまや世界的に高い関心を集めているトピックです。

しかし,「頻度調査の数値が増加した」ということをすぐに「自閉症が増加した」と結びつけることには,慎重でなければなりません。本当は増加していなくても数値が見かけ上増加することもあり得るのです。

http://www5d.biglobe.ne.jp/~yamabiko/dr_toukou2.htm

こちらでは、見掛け上、頻度調査を押し上げているものがあり、慎重な判断が必要だ、としている。確かに自覚的な増加の印象はあるが、それが直ちに発生症例の増加と見るのは早計ではないか、という事らしい。

解決の糸口は頻度調査にあります。しかし,従来の調査のほとんどに重大な方法上の問題があったため,これらを基準にして自閉症の頻度の増減を論じることは,控えるべきです。それよりも今必要なことは,厳密な方法で調査を行い,自閉症頻度の増減を今後議論していくための基準値を求めることです。

現在,自閉症の早期発見と早期介入の臨床システムが世界的に整備されつつありますので,今後は私どもの研究と同程度の厳密な方法論を用いた調査が各国で進められることが期待されます。自閉症の増加の有無を確かなデータをもとに論じることができるのは,それから先の話です。

http://www5d.biglobe.ne.jp/~yamabiko/dr_toukou2.htm

...どうも基準値が定まっていないために、増加しているのか、分からない、という事のようで、今後経年変化を追っていく必要がある事、また、そのためには、基準点を正しく定め、そこからぶれずに調査をしていく必要がある、という事のようだ。


今日の記事では、関連記事はこのへんにしておきます。が、「エコチル調査」と「臍帯血バンク」の件は継続的に調査してみるつもりです。*3

関連リンク
環境庁の調査が、臍帯血移植を阻害? - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック
ちょっと続報、臍帯血バンクの話 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック

*1:「エコチル調査」関連。

*2:視点を複数持つ事は、非常に重要。特に懐疑的かつ論理的に考える上では。

*3:医療制度上の問題が発生する内容であるのであれば、気になるので。あと、気になったのは「エコチル調査」って、妙にお金かかってませんか? あと政治的団体が妙に広告しているのも気になるんですけど...。医療行為が政治的圧力で変になっているケースは、結構あるように思う。