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茨城県立水戸第二高、小沼瞳さん達の化学論文「Rebirth of a Dead Belousov–Zhabotinsky Oscillator」を紹介

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111117-OYT1T00731.htm*1より。

茨城県の女子高生らが新たな化学現象を発見し、権威のある米専門誌に論文が掲載されることが決まった。

 専門家は「高校生の論文掲載は世界的な快挙。今後は彼女らの実験結果を、プロの化学者が後追い研究することになるだろう」とたたえている。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111117-OYT1T00731.htm

論文は『http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp200103s』で、アブストラクトまでは読めます。全文は有料だけど。

Rebirth of a Dead Belousov–Zhabotinsky Oscillator
Hitomi Onuma, Ayaka Okubo, Mai Yokokawa, Miki Endo, Ai Kurihashi, and Hiroyuki Sawahata*
Mito Dai-ni Senior High School, Oh-machi, Mito, Ibaraki, Japan
J. Phys. Chem. A, Article ASAP
DOI: 10.1021/jp200103s
Publication Date (Web): October 14, 2011
Copyright © 2011 American Chemical Society

http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp200103s

アブストラクトにグラフなども載っているのだけど、BZ反応と呼ばれる反応が、一度収束したかにみられた後、数十時間の後*2に再び始まる、という現象のようだ。
ベロウソフ・ジャボチンスキー反応 - Wikipedia』でも、実際の現象の説明は読めるが、いわゆる化学の基礎的な実験であり、今までも数多く実験されてきたと見られる。
今回の肝心なところは、実験機器を放り出していった偶然よりも、その偶然の後に起きた現象を放置せず、「何でこんな事が起きたのだろう。」と考え、再実験し、さらには論文にまでまとめてしまった処にある。
実際、論文は英訳され、全世界の化学者の知るところとなった。
また、これにより、全国の化学者の再実験と論考が重ねられることになる。なかなか、楽しくなる話だ。


ちなみに、論文のメールアドレス、なかなか楽しいメアド*3ですね...。

関連リンク
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111117-OYT1T00731.htm
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jp200103s
ベロウソフ・ジャボチンスキー反応 - Wikipedia
筑波大AO入試、提出論文

*1:ちなみに、記事タイトル、どうにかならなかったの? 物凄くダサいんだけど。

*2:論文中では、5〜20時間くらい、と書いてある。「The amplitude of the oscillation is suddenly damped after about 10 h. After about 5–20 h, the dead oscillator is suddenly restored with nearly the same amplitude...」

*3:sa-chan って、あだ名ですか?