今回の内容は、映画のネタバレを含みます。
映画自体は、ミアの心理にいまいち同調できなかった*1ので、あんまり好きにはなれませんでしたが、映画が描き出している、自分の運命の突然の変化、事件の発生の部分は、物凄く良く分かった。
人は突然に、自分と自分を取り巻く環境が激変し、決断を迫られる時が来る。幸せに暮らしていた世界が突如、違うものに変化し、そこでの自分の行動を考える時が来る。
多分、映画を観た人、これから観る人も、きっとミアの事は考えても、自分の身のことは考えないのではないのかな。または、考えても、本当に自分に起こる事、自分に不幸が起こる事が普通に起きうる事、なんて考えないのではないのかな。
例えば、自分の行動で相手が容易に傷つくことに気づけない人。障害者の困惑を冷たく笑える人。先天性の障害が、生まれた子に普通に起こりうることに、無頓着な人。または、生活保護を要する状況に、人が突然置かれることがあり得る、ということに気づけない人。突然、親が事故死して、時に冷たい親せきに引き取られる子供が、世の中には存在する事を、他人事みたいに考える人。
色んな状況で、冷酷な運命を他人事みたいに言う風景を、良く目撃していると、激変する運命を「自分に起きうること」とリアルに考えることが出来る人が、どれだけいるのかな、と疑問に思います。
私も、自身を取り巻く環境で、突然の事件が起こるまでは、ある意味、他人事で、実感せずに考えていた風に思う。ただ、今は違っていて、色んなことが人には起こるのだ、とちゃんと考える事が出来るようになった。
勿論、起こる事総てを想像する事なんて出来ないし、そんなことまで考えて行動なんてできない。ただ、多くの事件が他人ではなく、自分に起きうることだ、と考えておくことは、実はとっても大切な事だと思います。
映画『イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所』オフィシャルサイト
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*1:私はどちらかというと、チェロやバイオリン演奏にも、他の音楽の片鱗を見ることが出来るので、クラッシック以外も曲は楽しめる。後、恋愛系のゴタゴタは実はあんまり好きではないので、彼女の細かな心情は今一つピンとこなかった。後、両親の心の対象を、いちいち自分以外の対象と勘違いする部分とか。