luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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姉の賢明さ、と苦悩、そして妹の無邪気な信頼と、献身が生んだ、魂の救済を描いた物語。アナと雪の女王。

実は映画を観たのは、結構最近。
なので、ネタバレの感想を少し書いておこうと思う。


結局のところ、姉は登場人物の中で、生存している唯一の妹に起きた出来事の記憶保持者です。自分の両親が荒天の航海で失われた後は。
つまり、自分が引き起こした問題が、妹に、そして王国の皆に再度降りかからないか、心配している唯一の人間です。


そして、後に真実が明らかになりますが、妹の無邪気な信頼が引き起こす問題点を見抜ける賢明さも持っていたりします。
妹に、今日会ったばかりの人と婚約して、その人を本当に知っているの? と諭し、結婚を許しません。一見、単なる頑迷さに見えるのですが、そして、妹にはまさに、そういう内容として受け取られたようですが、まさに、ここの部分で、相手の悪意*1を見抜けていたのでした。
ただ、それ故に、苦悩を背負い、そこから自由になるために、王国から逃れます。ただし、そうであっても、自己の雪を生み、冬を生み出す能力をコントロールできない、という重要なウィークポイントは持ったままですので、本当の問題は、実は解決はしていないのでした。


そして、妹は、姉の本当の苦悩は分かりません。ただ、無邪気に、姉と和解したい、姉の苦しみをどうにかしたい、と自己の信念を信じて、姉の元に向います。道中で、結構重要な存在と友好関係にある*2、スヴェンと知り合いつつ...。
妹の無邪気さは、姉の最大の懸念である、相手の心に、自分の能力が影を落とさないか、を現実に起こしてしまいます。が、王子の悪意を知り、自己の危機が迫っているのを知りつつ、姉を守る事によって、姉に、自己の能力コントロールのヒントも与えるのでした。相手への懸命の愛が、冬の能力の制御を可能とする、と。
ラストで、妹の無邪気な信頼が、姉の能力の制御も生み、悪意の保持者も捕縛され、王国は平穏を取り戻します。
妹は、苦闘の旅の中で、今度は真の愛も得て、幸運なラストシーンに繋がります。
ちなみに、スヴェンがトロールと知り合いなのは、やはり誠実さを持っていたからなんでしょうか。両親も、トロールには魔法に関しての知識に全幅の信頼を置いていたようでしたが。
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*1:王位継承権が遠い王子が、婚姻に何の意味を見出すか?

*2:ここら辺は、ちょっとご都合主義かも。冒頭で、しっかり伏線は張られていましたが...。