luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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反ワクチン論者の誇張、信憑性の失墜(鶏卵アレルゲン)。

インフルエンザ・ワクチンの製造には鶏卵培養法が使用されていました。故に、重篤な卵アレルギーを持つ場合には、注意が必要となります。ただし、ワクチン自体には卵由来の成分が混じらないように、製錬されています。
インフルエンザワクチンをつくる(鶏卵利用の培養方式) より。

ウィルスの培養場所は漿尿膜の内側ですが,卵白や卵黄との直接の接触はありません。また,ワクチンは十分精製されているため,卵の成分はほとんど残っていません。

https://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/theme.php?id=0001259544251941&p=4

勿論、既にアレルギーの重篤な反応を持ってしまっている場合には、問題が起こり得る可能性はありますが、軽度の場合には問題ないのではないか、と言われています。


最近、この話題で気になってたので、製法での卵の成分の関わりを少し調べていたのですが、その過程で検索に引っかかってきた反ワクチン論者の、鶏卵成分に関してのワクチン・バッシングがひどかった。
情報の拡散に協力したくないし、記事の質を落としたくないので具体的な内容の提示は避けるが、非常に誇張がひどく、本人の主張の信憑性をかなり毀損するものが多かった*1
各自の信条に干渉はしないけど、そういう主張の手法に辟易し、まさに自己の信憑性を毀損しているよなあ、と思ったことは、ここに記しておく。自己の信じる正義のためには、表現を誇張しても構わない、という感情はとても気持ち悪かった。特に、総てをワクチンのせいにしようとする思考が、受け入れがたかった。


なお、幸運にもインフルエンザ・ワクチンについては、この方式から細胞培養型に製法がシフトしています。製造方法として大量生産できない欠点も、この方法で改善されるそうです。
第一三共 細胞培養型インフルワクチンを承認申請 武田、化血研に続き3社目  | 薬食審・薬価収載 | 国内ニュース | ニュース | ミクスOnline より。

細胞培養法によるワクチンの製造では、1年半〜2年の製造期間を要する鶏卵培養法と比べ、約半年に短縮させることが可能。

https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/44542/Default.aspx

詳細な製造法の説明として、マイクロキャリアとVero細胞を用いたインフルエンザワクチン製造 を紹介しておきます。


各自の信条に過度に干渉したいとも思わない*2が、最初に自己信条ありきの思考では、自己の確証バイアスに絡め取られるだけで、傍目から見ていると気分が悪い。しかし、本人はまったく意に介さないのでしょうね。

*1:内容を転記しないもう一つの理由は、この手の方々は正当な批判を許容できない人も多いからです。誹謗合戦に巻き込まれたくないし。

*2:同時に、会話につきあいたいとも思わないが。