luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

読み終えて気づく、病名の重要さ。アガサ・クリスティ「鏡は横にひび割れて」

噂で、「この作品に風疹が重要な要素として登場するのでは」という、仄めかしめいた情報は知っていたので、ほぼラスト近くで犯行の動機として語られる、風疹についての真相に納得でした。
真面目な話、風疹についての認識があまりに軽率であったが故に、殺人が発生し、それに留まらずに、さらに悲劇は波及します。あまりに風疹について、軽く考えすぎの行動を行う人が登場するので、風疹について思い入れのある人は、ラスト近くで非常に強く心動かされるに違いない。
下手をすると、真相が分かる前に、つまり、ミス・マープルよりも早く推理を終えることが出来るかもしれません。
この病気について思い入れるのある人だけではなく、あまり重要な事と考えずに行動する人にも読んでほしいと思った、良ミステリ書籍でした。
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