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震災からの教訓(大震災に伴う改正法の紹介)

日本の法律改正は、改正事項を記した法律を公布し、施行時に効力が発生する手法が多いですね。完全に作り替えるような場合は旧法を廃して、新法になりますが。


今日は震災に伴って、どんな改正がなされたのかをざっと紹介します。
最初は、阪神・淡路大震災に伴い、平成 7年 6月16日に公布された、「法律第百十号(平七・六・一六) ◎災害対策基本法の一部を改正する法律」です。
法律なので、著作権はありませんし、そんなに長くもないので、全文紹介しますね。

法律第百十号(平七・六・一六)

  ◎災害対策基本法の一部を改正する法律

 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)の一部を次のように改正する。

 第七十六条の見出しを削り、同条を次のように改める。

第七十六条 都道府県公安委員会は、当該都道府県又はこれに隣接し若しくは近接する都道府県の地域に係る災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場合において、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため緊急の必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、道路の区間(災害が発生し、又はまさに発生しようとしている場所及びこれらの周辺の地域にあつては、区域又は道路の区間)を指定して、緊急通行車両(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第三十九条第一項の緊急自動車その他の車両で災害応急対策の的確かつ円滑な実施のためその通行を確保することが特に必要なものとして政令で定めるものをいう。次条及び第七十六条の三において同じ。)以外の車両の道路における通行を禁止し、又は制限することができる。

2 前項の規定による通行の禁止又は制限(以下この項、次条第一項及び第二項並びに第七十六条の四において「通行禁止等」という。)が行われたときは、当該通行禁止等を行つた都道府県公安委員会及び当該都道府県公安委員会と管轄区域が隣接し又は近接する都道府県公安委員会は、直ちに、それぞれの都道府県の区域内に在る者に対し、通行禁止等に係る区域又は道路の区間(次条及び第七十六条の三において「通行禁止区域等」という。)その他必要な事項を周知させる措置をとらなければならない。

 第七十六条の前に見出しとして「(災害時における交通の規制等)」を付し、同条の次に次の三条を加える。

第七十六条の二 道路の区間に係る通行禁止等が行われたときは、当該道路の区間に在る通行禁止等の対象とされる車両の運転者は、速やかに、当該車両を当該道路の区間以外の場所へ移動しなければならない。この場合において、当該車両を速やかに当該道路の区間以外の場所へ移動することが困難なときは、当該車両をできる限り道路の左側端に沿つて駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならない。

2 区域に係る通行禁止等が行われたときは、当該区域に在る通行禁止等の対象とされる車両の運転者は、速やかに、当該車両を道路外の場所へ移動しなければならない。この場合において、当該車両を速やかに道路外の場所へ移動することが困難なときは、当該車両をできる限り道路の左側端に沿つて駐車する等緊急通行車両の通行の妨害とならない方法により駐車しなければならない。

3 前二項の規定による駐車については、道路交通法第三章第九節及び第七十五条の八の規定は、適用しない。

4 第一項及び第二項の規定にかかわらず、通行禁止区域等に在る車両の運転者は、警察官の指示を受けたときは、その指示に従つて車両を移動し、又は駐車しなければならない。

5 第一項、第二項又は前項の規定による車両の移動又は駐車については、前条第一項の規定による車両の通行の禁止及び制限は、適用しない。

第七十六条の三 警察官は、通行禁止区域等において、車両その他の物件が緊急通行車両の通行の妨害となることにより災害応急対策の実施に著しい支障が生じるおそれがあると認めるときは、当該車両その他の物件の占有者、所有者又は管理者に対し、当該車両その他の物件を付近の道路外の場所へ移動することその他当該通行禁止区域等における緊急通行車両の円滑な通行を確保するため必要な措置をとることを命ずることができる。

2 前項の場合において、同項の規定による措置をとることを命ぜられた者が当該措置をとらないとき又はその命令の相手方が現場にいないために当該措置をとることを命ずることができないときは、警察官は、自ら当該措置をとることができる。この場合において、警察官は、当該措置をとるためやむを得ない限度において、当該措置に係る車両その他の物件を破損することができる。

3 前二項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十三条第二項の規定により派遣を命ぜられた同法第八条に規定する部隊等の自衛官の職務の執行について準用する。この場合において、第一項中「緊急通行車両の通行」とあるのは「自衛隊用緊急通行車両(自衛隊の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の通行」と、「緊急通行車両の円滑な通行」とあるのは「自衛隊用緊急通行車両の円滑な通行」と読み替えるものとする。

4 第一項及び第二項の規定は、警察官がその場にいない場合に限り、消防吏員の職務の執行について準用する。この場合において、第一項中「緊急通行車両の通行」とあるのは「消防用緊急通行車両(消防機関の使用する緊急通行車両で災害応急対策の実施のため運転中のものをいう。以下この項において同じ。)の通行」と、「緊急通行車両の円滑な通行」とあるのは「消防用緊急通行車両の円滑な通行」と読み替えるものとする。

5 第一項(前二項において準用する場合を含む。)の規定による命令に従つて行う措置及び第二項(前二項において準用する場合を含む。)の規定により行う措置については、第七十六条第一項の規定による車両の通行の禁止及び制限並びに前条第一項、第二項及び第四項の規定は、適用しない。

6 自衛官又は消防吏員は、第三項若しくは第四項において準用する第一項の規定による命令をし、又は第三項若しくは第四項において準用する第二項の規定による措置をとつたときは、直ちに、その旨を、当該命令をし、又は措置をとつた場所を管轄する警察署長に通知しなければならない。

第七十六条の四 国家公安委員会は、災害応急対策が的確かつ円滑に行われるようにするため特に必要があると認めるときは、政令で定めるところにより、関係都道府県公安委員会に対し、通行禁止等に関する事項について指示することができる。

 第八十二条第一項中「第七十一条」の下に「、第七十六条の三第二項後段(同条第三項及び第四項において準用する場合を含む。)」を加え、「行なわれた」を「行われた」に改める。

 第百十四条中「第七十六条」を「第七十六条第一項」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (自衛隊法の一部改正)

第二条 自衛隊法の一部を次のように改正する。

  第九十四条の次に次の一条を加える。

 第九十四条の二 第八十三条第二項の規定により派遣を命ぜられた部隊等の自衛官は、災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)の定めるところにより、同法第七十六条の三第三項に規定する自衛隊用緊急通行車両の円滑な通行を確保するため必要な措置を命じ、又は自ら当該措置をとることができる。

内閣総理大臣臨時代理・自治大臣署名) 

http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/houritsu/13219950616110.htm

読んでいただくと分かりますが、これは災害時に緊急車両の円滑な通行を確保するため、のもので、警察官は必要なら「破損」も可能となっています。
震災時に放棄、破損した車両が通行の妨げになる事は一般的であるので、そういった際には最悪の場合には、移動に伴う破損もあるかもしれないが、それに対する事項も、法律条文に入れているのですね。


次に、東日本大震災に伴う、改正法です。これは長いので、リンクのみにします。
http://www.shugiin.go.jp/itdb_housei.nsf/html/housei/18320130621054.htm をみてください。


今日は、震災に伴って、改正法がどう公布されているのか、を復習する記事でした。
先日の大雪に伴う教訓もあると思いますので、また改正法が出るかもしれません。改正法の公布があれば、紹介したいと思います。