luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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検査目的の献血をした場合、他人への感染責任をどうとるのか。

日本赤十字社では、HIV 陽性献血者に対し通知は行いません。


しかし...。
献血におけるHIV検査の現状と安全対策への取り組み(Vol. 32 p. 290-292: 2011年10月号) より。

2011年4月から問診票を改訂し、責任ある献血を強く促すとともに、HIVを想定した感染症リスク行動の設問をより具体的なものに変更した。しかし、2010年に「検査目的の献血」の設問に「はい」と回答し、献血をお断りした事例が337件あり、頻度でみると10〜20代に多く見られた。

http://idsc.nih.go.jp/iasr/32/380/dj3805.html

上記の状況があるようだ。


下記資料を確認してもらえば分かりますが、血液の検査は完全ではなく、ウィンドウ期(感染直後の初期段階)で感染の可能性のある血液が検査をすり抜けてしまう場合がある事が示唆されています。
感染症報告とウインドウ期 より。

HBVHCVHIVに感染した場合、「NATのウインドウ期」であっても、血液中にはNATで検出できない微量のウイルスが存在し、これらの血液が感染源となる場合があることが知られています。

http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/2a/dl/2b.pdf

上記の問題がある事を知れば、検査目的の献血が、他人に感染の危険を負わせる危険な行為*1だという事が分かるはずです。
献血時に上記の危険性を排除するため、問診項目が近年変更されています。その問いに嘘を応え、最終的に献血を行った行為は、本来の献血のボランティア的な意味合いとは真逆の、犯罪的行為だと言えます。
意図的に行ったのであれば、刑事的にも、民事的にも、法的な責任を取って頂きたいと強く望みます。


この件に関しての、私の意見は上記のとおりです。強い意見だと思いましたので、自己のまとめ 検査に献血を訪れる危険と、献血前問診の考察 - Togetter には書きませんでしたが、私の素直な感想です。

*1:対象者には感染の心当たりがあるのだから、自己血液からの感染の可能性を意識できるはず。