luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

陰謀論はあり得ない、が自分の脛の傷(違法行為)を原因に、黙っている事はある。

徳洲会公職選挙法がらみのニュースを連日、聞いている。今日も色々報道されたようだ。
日頃、「陰謀論は常日頃から無いと言っている」と、こういった違法行為の連鎖を耳にして、ドヤ顔で変な事を言う人が居るのかもしれない。だけど、こういうのは陰謀論とは違うね。
陰謀論ってのは多数の共通の利益があり得ず、大人数だと多様な価値観から、総てが沈黙する訳ではないのであり得ない、大規模な企み事のことを言う。
これとは違い、特定の違法行為に連座し、それ故に、沈黙の利害が一致して各自が黙している事はある。されど、それも結局のところ、沈黙は利害が一致しているごく短い期間だけなので、破られるのが普通*1。それが表れているだけですね...。
徳洲会」の公職選挙法違反事件も、似た経緯を辿っている。実際の詳細は捜査機関が捜査中なので細かい内容は明らかではないが、徳洲会、日本最大の医療グループに走る激震 によれば、

元側近や関係者によると、ファミリーによるマンション売買に関する疑惑、二男で衆議院議員の毅氏に対するグループ企業からの資金提供、さらには自由連合(2010年8月に政党要件を満たさない状態となったため解散)の清算にあたって、徳州会グループから98億円に上る借入金の処理、病院建設に伴うキックバック、政治家への不正献金など、徳州会や徳田ファミリーに関する不正があったとしている。また、選挙応援のため、グループから数百人という職員がかり出されていたようだ。

http://toyokeizai.net/articles/-/12778?page=3

...との事である。
これは、「取りに来させろ」「足がつかないようにしろ」 虎雄氏、来客の前で細かい指示徳洲会側「猪瀬知事が1億円お願い」都知事にも飛び火しています。

なお、お金の受け渡しの仲介役の記事が 「全部あうんの呼吸」…都知事・徳洲会の仲介者 にて、「猪瀬知事と徳洲会側の仲介役を務めた団体代表が22日、読売新聞の取材に応じ、一連の経緯を語った。*2」と書いてありますが、団体は下記を見ると「一水会」のようです。 「一水会を鼓舞する会」の「発起人名簿」 *3を見ると、「猪瀬直樹(作家)」「徳田虎雄(徳洲会理事長)」の両名の名前があったりします。

https://pbs.twimg.com/media/BZtie4qCMAA78J8.jpg

さて。...記事 「取りに来させろ」「足がつかないようにしろ」 虎雄氏、来客の前で細かい指示 には「来客らと面会中だったが、文字盤を目で追いながら秘書を通じて毅議員と会話する内容は、スピーカーを通して来客らにも聞こえる状態」とか書いてあるので、この来客者からもばれてしまう可能性もあるのですが、そもそも、この事件を捜査機関が追う要素となりうる事件が起きています。
今まで紹介した記事の中にも記載はあるのですが、政治資金規正法踏みにじる 返済主張の職員ら次々と解雇 旧自由連合負債未返済 より。

返済を主張した職員らは次々と解雇され、徳田氏の側近中の側近といわれた能宗克行(のうそうかつゆき)氏も昨年、医療法人専務理事などの役職を解かれたうえ、今年に入り、懲戒解雇に向けた手続きが進められている。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130205/trl13020509190001-n2.htm

能宗氏に懲戒解雇を通告していった訳ですが、その際に 「徳洲会=旧自由連合」スキャンダルの背後にある「徳田ファミリー vs "すべてを知る男"」の血みどろの戦い にあるような回答書を書いたようですね。

能宗氏は、(中略) ...ファミリー企業を利用した裏ガネ作りや葬祭業者からの個人的な借金についてもふれ、「政治活動に必要なものだった」と説明、選挙対策の"実態"を語った。

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34862?page=3

この事件についての回答書で、上記の内容を回答していれば捜査機関のセンサーに触れ、連なる政治関係の調査へも触手を伸ばしていったであろうことが推測されます。
徳洲会の関係者は、本人を懲戒解雇しても、本人自身にも話題にしたくない内容はあるはず、と見做して措置に及んだ*4のでしょうけど、結局のところ、本人は「であるならば」と、内部事情を開示するに至った訳です。
捜査機関への情報開示は、他の解雇事件も関係してそうですね。選挙活動に協力的ではない、と辞めさせたりしている訳なので→ 発端は貴様ぁ解雇
上記ブログでは、この事件で「ここ数日、マスコミの紙面画面を賑わせている徳洲会問題ですが、なんで検察がこの問題を嗅ぎ当てたのか、というと、発端はこういう事件だったようです。*5」としていますね。
互いに連座して、違法行為に加担していたり、弱い立場だから特に何も反抗しないだろ、と思って無体な事をしていると、相手も追い詰められるので「窮鼠猫をかむ」みたいな事になっちゃう訳ですね。


ブラック企業だって、あまりに酷い所作に及んでいたら、労働基準監督署に申し出たり、裁判を起こしている訳で、ちゃんと人には反抗精神がある、というのが証明されてますね。
権力者というのは感覚が鈍化するのか、無体な事をやっても何も起きないと思っているきらいがありますが、普通に事件化すると思いますよ。「苛政は虎よりも猛し」という諺もあるでしょ。...昨今の権力者は自覚していないかもしれないが。

*1:例えば、組織の共済的なプール金についての話とか。→参考 仙波敏郎 愛媛県警巡査部長に聞く「裏金告発の行方」

*2:記事引用

*3:アーカイヴらしい

*4:誰も、自分自身にも捜査が及ぶと予想して、解雇に及んだりしないと思う。

*5:記事引用