luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

差別感情を解決するのは困難。だが、人は生きていくもの。

映画「チョコレート*1」を観た。細かい描写は削ぎ落とされているので、ラストも含めて解釈に困りますよね。色々な意見が出ているようですが、敢えて描かずに、「観た人に色々考えてもらうように狙ってる」のではないかな、と思いました*2
ラストでも必ずしもハッピーエンドにはなっていないんですが、あの後の物語が多様に変わっていったとしても、可能性の一端を見せたという意味で、良い物語だったと思います。人の人生には色々な事があり、ひと時の幸せが永続的な幸せを保障しませんが、人の人生、永続的に幸せが続いている訳でもなく、それをリアルに描いているという意味にも取れました。


ところで、はたと考え込んでしまったのですが、差別感情ってどこから生まれると思いますか?
私は自己の地位が永続的に存続する保障*3から、生まれると思います*4。もし、自分が永続的にはその地位には居られずに、即時に自分が差別している相手の立場になりえるとしたら、過去の自分の差別が作り上げた思想に、今度は自身が攻撃されることを意味しますから。
だから、地位が安泰で、自己の差別感情を律する意識のない人の思考は酷い*5ものです。逆に、そういう立場であっても、そうならないように自分を律する事が出来る人には感銘を覚えます。

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*1:ちなみに、この邦題は黒人の暗喩ですよね。原題は「Monster's ball」。個人的には邦題の方が好きです。

*2:個人的に気に入ってる解釈は 映画「チョコレート」(ハル・ベリー主演)の結末は、どの様に解… - 人力検索はてな の No.3 回答。

*3:だから人種や出身など「変えることが出来ない」事を理由としての差別感情が起こる。もし、「容易に変えることが出来る」内容を差別感情の根拠にしたら、それを打ち捨てた相手を差別できなくなるでしょう。その根拠に論理的な整合性が失われても、その感情にしがみついている姿を見ていると、とても哀れですけどね。ただ、そうは言いますが、総ての人に程度の軽重はあれ、差別感情は生まれると思っていて、それを克服することが、自分への挑戦だと思っています。

*4:だから、自分が所属しない層、生活保護や、精神病疾患者、障害者に感情が向く。

*5:そういうのを見かけると、差別相手と立場を入れ替えて、自分の悪意を経験してみろよ、と思うのですが、それを強制する術はありません。故に、傲慢な心が正される事も無いのですが。