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陰謀論を信じてしまうと、起きる弊害。

元々、ハンロンの剃刀、という概念があります。
ハンロンの剃刀 - Wikipedia

ある製品に欠陥が見つかった場合、(大抵の場合、一般論としては)それは製造した企業が無能であるか愚かであるということを示しているのであって、消費者を困らせるために企業が悪意を持って欠陥を忍ばせたわけではない

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%81%AE%E5%89%83%E5%88%80

実際に企業で現場指揮をしたり、他社の仕事ぶりを見ている経験からでも、これらの内容は納得できます。自己の経験よりも歴史に学ぶという意味からいえば、過去の事故や、企業問題はほぼ上記の内容で説明つくのではないでしょうか。
で、陰謀論を信じる人は納得しないかもしれませんが、そんな人の事情は無関係に、今日は、陰謀論を信じてしまったら、どうなっていくのか、を考えてみたいと思います。

陰謀論を信じてしまったら...
(1) 根拠が薄く、証拠もない事実を信じる。→ 他の根拠なしの変な論も信じていくようになる。
陰謀論は、ほとんど根拠がない、もしくは薄いものですよね*1。とすると、他の根拠が薄い話を信じてしまうのに抵抗感がなくなります。
すると、他の陰謀論や、あやふやな論を信じやすくなります。
(2) 陰謀論はあまりに単純な善悪の二項対立で、物事を説明しようとする。→ 実際の複雑な人間関係、組織関係の考察をしなくなる。
これもかなり問題だと思うのですが、陰謀論って、やたらと単純に悪行を目論む悪人、または悪の組織が、非常にシンプルに悪行を成そうとしますよね。でも、実際の事業や、行政の処理、担当者の仕事って、そういう風に割り切れるほど単純な仕事ではありませんよね。
実際には、目的とした事業がうまくいかずに段々行動がズレ、制御しようとすると微妙な乱れが生じ、さらに部分で行動に矛盾が出てきて、意味不明になりつつ行動結果が酷い状態になる、ってのは企業活動、組織サービスを実行したことがある人なら、結構経験するはずです。
しかし、陰謀論はそんな現状を無視して、思考停止で悪行の実行を描写します。
(3) 総ての事象の発生内容を陰謀論のせいにして、事実関係の正常な把握を行わなくなる。
そもそも、陰謀論って、何の証明もしなくて良い*2ので、事実関係の確認、正常な把握を行わなくなります。

上記の内容は、「他の陰謀論や、奇妙で根拠の薄い事実に基づかない話を沢山信じてしまい、最終的には生活の状況に支障をきたすに至る場合もあり得る。」という事態を引き起こすと思うのですが、陰謀論を信じる人は、そんな事は気にしないのでしょうか?

*1:根拠があるものは陰謀論ではなく、単純な事実。

*2:証明が出てくるたびに、陰謀を企てている組織が握りつぶしている、という事になる。故に、陰謀自身の証明を回避できる。