luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

自己の反省ができない管理職は、現場を疲弊させるだけ。

知り合いの現場がかなりやっかいな事になっている。
計画予定を何故かリスク含みで作成せずに、顧客先に提示したせいで、その見積もりの甘い計画に納得していた顧客が、実施状況がうまくいっていない*1事に納得できていないのである。おかげで、無理な計画をさらに無理な状態にする労働環境になってしまっている。
知り合いも、最初から妙な違和感と、妙な稼働率の高さ*2に、文句を言いつつ、相手の「調整する」という言葉を信頼して、「いつから、この状態が是正されるのかな?」という気持ちで働いていたらしい。
しかし、さらに、ここに及んで状況の悪化を観察し、「今後の調整が見られなければ、この現場から手を引く*3」と言い始めている。


現場の管理職は、この状況でも、自己の計画プランが甘かった事を分析せずに、現場を叱責するのみ。そういう姿を見て、従順に、そしてかなり優秀な能力を発揮して働いていた中核メンバーまでもが、今まで言わなかった不服を漏らし始めている。
何か、裸の王様状態で。
誰もが、その場に座っている管理職の無能さにあきれ始めているのに、職場権限があるので、誰も「王様は裸だ」と言うことは無い*4


...でもね。王様が裸なのは事実なんだから、本当に恥をかいているのは、他ならぬ、その管理職なんですけどね。


ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 大久保ゆう訳 はだかの王さま The Emperor's New Suit *5より。

「でも、王さま、はだかだよ。」
 とつぜん、小さな子どもが王さまに向かって言いました。
「王さま、はだかだよ。」
「……なんてこった! ちょっと聞いておくれ、むじゃきな子どもの言うことなんだ。」
 横にいたそのこの父親が、子どもの言うことを聞いてさけびました。そして人づたいに子どもの言った言葉がどんどん、ひそひそとつたわっていきました。
「王さまははだかだぞ!」
 ついに一人残らず、こうさけぶようになってしまいました。王さまは大弱りでした。王さまだってみんなの言うことが正しいと思ったからです。でも、「いまさら行進パレードをやめるわけにはいかない。」と思ったので、そのまま、今まで以上にもったいぶって歩きました。めしつかいはしかたなく、ありもしないすそを持ちつづけて王さまのあとを歩いていきましたとさ。

http://www.alz.jp/221b/aozora/the_emperors_new_suit.html

*1:実は、それはリスク含みの計画では元々予想されていた、ある意味では正しく予想された結果。

*2:深夜まで続く残業、休日出勤の常態化。←元々、残業とは予定がうまく進捗できなかった場合のフォローであって、常態になるのはそもそも予定立案が変。

*3:彼は期間限定契約なので、契約更新を自ら止めることができる。

*4:労働者は無垢な子供と違って、自己の解雇リスクや、雇い止めリスクを考えるから。

*5:この作品は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下でライセンスされています。