luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

日米の売春についての法律的相違を調べていたら、星条旗新聞さんに先を越されていた(凄い)。

日本の建前論的な売春の合法さに関しては、それなりに皆さん、知っているかと思う。
橋下氏もそれを知っているからこそ、日本の法律の建前論*1としての売春の合法行為を念頭に於いて、米軍司令官にその話をしたのだと思う。
日米間の売春行為の把握状況が気になったので、アメリカの法律にはかなり疎いのだが少し調べていた。...そしたらびっくりした事に、星条旗新聞*2が正確な記事を挙げていたので、紹介します。
Osaka mayor: ‘Wild Marines’ should consider using prostitutes - Stripes より。

While paying for sexual intercourse is technically illegal in Japan, most other sexual services remain legal. They are bought and sold at massage parlors, hostess bars or within the “Soapland” system ― a post-war concept that endured within the law by bathing its customers.

http://www.stripes.com/news/pacific/bad-behavior-in-the-pacific/osaka-mayor-wild-marines-should-consider-using-prostitutes-1.220845

...ちゃんと日本のシステムについて解説しています。

ソープの事を言っているのなら、まさに、あれは法律の建前論の行為。あれは、法律では自由恋愛行為との解釈での合法行為になってる。まさに、建前論。

https://twitter.com/rt_luckdragon/status/334461275000156161

...私もあまり詳細に解説できるほど、この手の法律背景は詳しくない*3のですが、そもそも提供サービスは「入浴」となっているはずなんですね。


米軍司令官の反応まで、ちゃんと書いてありまして、下記のようになってます。

Hashimoto said that the commander responded with a bitter smile and told him that brothels are off-limits to U.S. servicemembers.

http://www.stripes.com/news/pacific/bad-behavior-in-the-pacific/osaka-mayor-wild-marines-should-consider-using-prostitutes-1.220845

橋下氏は「凍りついた」と表現していますが、こちらでは「bitter smile」...つまりは苦笑して、「そういった施設は立ち入り禁止になっています。」と告げた、と書かれています。


なお、日本が戦時行った行為についても、戦後の解説まであり、マッカーサーが米軍相手の類似施設を終了させたこと。また、そういう類似の行為を米軍として行えば、軍事法廷の対象となることまで書いてある。

Hashimoto noted that soon after World War II ended, Japan created the Recreation and Amusement Association for U.S. troops to engage in prostitution. Gen. Douglas MacArthur, who administered Japan during the post-war occupation, ended the association after four months in 1946.

Patronizing a prostitute is now subject to court-martial under the Uniform Code of Military Justice.

http://www.stripes.com/news/pacific/bad-behavior-in-the-pacific/osaka-mayor-wild-marines-should-consider-using-prostitutes-1.220845

記事は、その後に、そこで働く女性が人身売買組織の被害者であることも告げています。
この事は、世界から日本が大きく非難されている事でもあります。
参考資料は記事中にも示唆されていますが、「ポラリスプロジェクト」で文書にもなっていて邦訳もあるので、参考にみてください。→ 米国政府発表2012年人身取引年次報告書


橋下氏は過去の日本軍の所業には誤解もあり、と言いたいのかも知れない。しかし、日本の合法とされている行為の背景に、人身売買の問題がある事、また、この問題は実はここ数年を見ても、「現在の日本」を非難する内容になっている事までは意識していなかったのではないか?
そして、この問題を過去の事だから、と言いたい方々は、現在の日本にさえ類似行為にまつわる問題で世界から避難される内容がある事を、どのくらい認識されているのであろうか?


何か、今回の件は色々な意味で日本側のひどい一面を露呈してしまったように思えてならない。


なお、触れるはずだった「日米の法律の違い」については、調査が追いついていないので後日にする予定です。

*1:本人は「建前論ではなく」と言ってますが、法律論としては実質的な売春を見逃しているので、まさに「建前的法律論」だと思いますが。

*2:彼らの主義については http://www.stripes.com/blogs/ombudsman/ombudsman-blog-archive-1.8931/a-threat-to-press-and-academic-freedom-1.135026 を参照のこと。

*3:この手のサービス施設を訪問した事もないので、実態も微妙に不明なところがある。