luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

親告罪と、その位置づけ。

『親告罪』とは何か――『法=ルール』の意味と『倫理=モラル』との関係性 - Togetter』にコメントしましたので。

親告罪について。分類がなかったので、参考リンクを。 親告罪とは、村上法務事務所 > http://murakami-y.net/index.php?%BF%C6%B9%F0%BA%E1%A4%C8%A4%CF *1

ちなみに、強姦でも、二人以上の共同行為の場合は「集団強姦罪」で、親告罪ではありません。 ちなみに、何故この犯罪が親告罪か、というと、性犯罪の場合、捜査などにより被害者に精神的な被害が及ぶ場合を懸念してのことです。 参考:女性犯罪被害支援センター http://www.gyoseihoumu.com/hanzai/b1/index.html *2

無罪って言い方も、ちょっとアレなので。いわゆる、推定無罪主義があるので、刑が確定するまでは無罪、つまり刑が認定されません。

ここで言っている、「無罪」は、「適法」つまりは「違法ではない」と言いたい、って事ですね。 罪刑法定主義の成立条件*3に当てはまるか、当てはまらないか、違法か、違法ではないか、という定義かと。

他、罪過の成立条件などは、刑法の基礎講座になってしまいますので、割愛。(告訴、裁判制度も含めた、基礎知識は、基本的に国民が知っていた方が良いとは思います。)

元々は著作権法違反が、権利者側からの申し立てによる犯罪捜査開始になることからの纏めのようなのですが、私のコメントは親告罪の刑法上の位置づけの話ですね。
基本的に親告罪は、絶対的親告罪と相対的親告罪に分けられます。
ここの部分は条件によって親告罪になる場合がある、と言う話なので端折るとして、親告罪は以下の理由から設定されています。
親告罪とは - 村上法務事務所 より。

親告罪の設定趣旨  

  • 被害者の意向を尊重しているもの(強姦罪・強制猥褻罪など)
  • 罪質が軽微で、被害者の意向如何では、特に国家が犯罪として取り上げる必要がないもの(侮辱罪・名誉毀損罪・器物損壊罪など)
  • 家族間の問題で、国家権力の介入を適当としないもの(親族相盗)
http://murakami-y.net/index.php?%BF%C6%B9%F0%BA%E1%A4%C8%A4%CF

強姦罪については前述していますが、罪質が軽微な場合、並びに、家族間の問題という場合は、要は「法は些細なことにはこだわらず」の原則ゆえですね。
刑法の謙抑性という意味もあると思いますが、法が総てを管理するのではなく、それより穏便な「適切な方法*4」があれば、その方法を採りなさい、という事だと思います。
故に、著作権法の話になれば、違法行為が穏便な状態にあり、警告も大きくなくて良い場合においては、告訴以外の方法が採られるのではないかと思います。...まさに、利用者層のモラルに帰する話、と言う事でしょうか。

関連リンク
親告罪とは - 村上法務事務所
親告罪について / 女性犯罪被害支援センター

*1:親告罪とは - 村上法務事務所

*2:親告罪について / 女性犯罪被害支援センター

*3:「構成要件」ですね。過失・故意とか、責任認定については、文中では言及していません。

*4:例えば、民事訴訟や、事後賠償請求をするとか。著作権法の違反行為、名誉毀損行為などでは、行為を止めて貰えれば良い、というケースもあると思います。