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luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

何故、労働市場は想定どおりに動いてくれないのでしょうか?

今日の記事は、単純に疑問符での投げかけの記事です。
結論が出ていないし、今後も考えるべき内容だと思うので、記載しておくことにした。今の私の最大の疑問符でもある。
中小企業経営者の友人が正社員を雇えない理由 - Togetter』コメント欄より。

@zetumu さんのコメント。

経済が安定して発展していく状況では安定して働く人がいるということが付加価値だった。だから春闘なども意味があった。

だが現在は逆。不安定こそが付加価値。その根本的な変化が労働市場において明確に認識されていない。そこのズレが労働市場全体を歪めている。

そしてそういった歪みに漬け込んで利益を得ているのがブラック企業。だからその歪みが正されない限りブラック企業(ホワイトのブラック化)が増えていくのは利益を最大化しようとする企業としては必然と言える。

だから本当に問題は正規か非正規かではない。流動性のある労働は付加価値があり、その付加価値を正当に労働市場に反映するようなルールを作ること。

それがセーフティーネットと共に整備されてた上でなら、解雇規制の緩和(金銭解雇など)は寧ろ必要だろう。人材のミスマッチはこの変化の早い時代ではどこでも起こりうることだから。

http://togetter.com/li/437271

@zetumu この意見、概ね同意なのだが、本来同じ業務では有期雇用労働者の方が給与が高くなるべきとされ、派遣法の制定もその法理だったのだが、現実はそうなっていない。そこを考察すべきと思う。

アルジェリアの技術者が本来の意味での「派遣労働者」で、その時に出てきた話でもあるが、「本来の派遣法労働者は高給取り」であるはず。(いくらでも取替えの効く、低レベルではなく、高レベル、ただし有期雇用)

本来の派遣法の想定労働者は、有期雇用期間は「辞めることができない」、拘束期間だったはずが、実際の運用は有期期間契約の期間を短くし、それ故「簡単に雇用止め」ができる、になってしまっている。

それに対応してか、派遣法が改正されている。 > 労働者派遣法が改正されました|厚生労働省

企業の経営者、労働者(無期雇用、有期雇用)、が構成する労働市場が、何故目指した方向に進もうとしないのか(市場原則にうまく従わない)、何か原因があるはずで、それを考えないと。

ちゃんと論理的に思考した結果が、「何故か、その方向に働かない」という過去の歴史に目を向け、「それが何故か」と考えることが重要で、そこが対策されれば、論理的に考えられた施策がうまく動き出すと思う。

http://togetter.com/li/437271

労基法違反が告知されていない*1とか、制度の問題なのか、国民の心理「失敗を異様に恐れている」というのが反映されているのか、元々の法律の法理が正しく動かない、というのは考察に値するはずですね。
本来の派遣労働者は「雇用期間が限られるが、その期間は高付加の労働力が得られる」はずで、そのため、同じ業務ならば「正社員より高給取り」が本来の姿なんですね。


何で、そうなっていないのか、そこが疑問点です。
ちなみに、それゆえか、同じ能力を発揮している有期雇用者に、無期雇用者は影で馬鹿にされている事もあります*2

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派遣法の目指すもの - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック

*1:他国では明確に告知され、そういう企業である事が知られるので、違法行為が抑制される例があります。英国など。

*2:勿論、思い上がりの場合もありますが、技術者の場合、明確に腕が判明する場合もありますので。そういう時は結構はっきり言われる。下手をすると、影ではなく正面きって言われる場合も...。