luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

実は補足する内容がないほど、私に感想が近かった。丸刈り映像事件について。

実は著者でびっくりする人もいるかも...。
http://wirelesswire.jp/london_wave/201302010745.html』より。

これを見ていて、なんだかいや〜な感じがしました。たとえ綿密な計算の上での演出だったとしても、越えては行けない線を越えてしまった気がします。

まず始めに、これを見みて、イギリスの歴史番組で繰り返し放送される第二次世界大戦後にナチに協力した、ドイツ兵と恋人関係にあった、という理由で公衆の面前で丸刈りにされ、屈辱を与えられた女性達を思い浮かべたからです。男性達は丸刈りにされませんでしたが、女性達はされました。それが最大の屈辱の一つだったからです。ナチに協力したわけではなく、自分や家族を守るために、仕方なくドイツ兵とつきあっていた様な女性も恥ずかしめを受けました。また、ナチの強制収容所で酷い目にあったユダヤ人の女性達のことも思い出しました。収容所についてすぐ、頭を丸刈りにされました。丸刈りにすることで、恥ずかしめ、尊厳を奪ったわけです。

http://wirelesswire.jp/london_wave/201302010745.html

あの映像を見て、想起されたもの、私はアウシュビッツでした。ドイツの話は、後で聞いて思い出しました。

アウシュビッツ丸刈り写真しか連想できないんですけど。 ちょっと過剰すぎる罰でしょ。 てか誰か止めろよ。 (すまん、結構感情的になってます...。)

すまんが、ハラスメントとか、虐待とか、そういう連想しか出来ません...。

http://togetter.com/li/448032

でも、リンク先のコメント欄見ても分かるけど、この「嫌な感じ」に対して、平気で相手の尊厳なんか関係ない、みたいなコメント述べている人がいます。
...つまり、やっぱり日本には、認めたくないけど、この手の人がやはり多い、という事になる。多い、というのは言い過ぎかもしれないが、あれを放置できるほどには、拒否の感情は強くないようだ。
今回、一番問題なのは公式チャンネルで流した、つまりは世界中に配信されている、ということで、例えば『AKB48's Minami Minegishi Demoted To Trainee, Shaves Head As Punishment For Scandal | JpopAsia』なんかで報じられているんですね*1
実際、あの映像で過去の悲惨な目にあった女性の映像を連想する人は出てくるでしょう。『見損なったAKB48: Matimulog』のコメント欄で必死になって擁護したりしている人もいますが、世界の方々はそんなところを読んでくれるはずもなく。

無理矢理刈り取られた様な髪の毛で泣いている若い女性を見たら、「暴行されたのではないか」「日本ではガールバンドのメンバーに、こうやって屈辱を与えるのが普通なのか?」と思う外国の人がいても不思議ではありません。面白い、と思う人はいません。こんなビデオを流しても、日本に取っては良いことは一つもないわけです。

http://wirelesswire.jp/london_wave/201302010745.html

...見事に、そういう印象が形作られている状態になっています。
私は、この映像を放映するような事をする、これを公にするという感覚を、「間違い」と感じていないならば、もう AKB は終わり、だなあと感じています。まあ、コアなファンは残るんでしょうし、こういうグロテスクな内容を好む層というのもありますから、そういう層のみに売り上げを頼るビジネスモデルはあるのかも知れません。
しかし、公の広く世に知られ、そこから収益を得るような営業活動は出来なくなっていくのではないかな。
少なくとも、私が会社の広告関係の担当者だったら、自己のスポンサー番組に、この手の映像を流して欲しくない、くらいは言いますよ。会社として、ハラスメントを公に認めると思われる行為に加担している、と思われたくないから。


...さて。この事件から少し離れて、日本の社会を覆う暗いモヤモヤとした空気について話しておきたい。今回、こんな映像が出てきた背景には、いわゆる私的制裁という日本の持つ*2暗い一面が影響していると思います。
一部の人であると信じたいですが、世の中には個人の感じた勝手な約束を元に、相手に過酷な制裁を強いる方々が居ます。
私の知り合いですが、とある不備が生じた際に、対処中に食事をした*3事を理由に、その人の雇用契約を不当に低く設定された事例があります。
また、これもよくある話ですが、起きた事例の責任を弱い立場の派遣社員に総て押し付けて、他のメンバーは不問にした話があります。これなんぞは、契約終了時の派遣社員の傍らで、自分のボーナス*4の話を得意げにしている、という噴飯モノの話で。

イギリスは、他の大陸欧州諸国と同じく、雇用主が従業員を、「身体的、心理的に不快な状態におくこと」は、「イジメ」と考えられるので、大変厳しく罰せられます。労働裁判所での審理は原則公開なので、会社名も何もばれてしまいます

http://wirelesswire.jp/london_wave/201302010745.html

リンク先の記事ではないですが、それこそ、こういう事例を公開の裁判で争うことにしたら、そして、今は契約が弱くて、こういう変なことをされても、自分の雇用契約を切られるのが怖くて、なかなか外に公開できない人の保護を行ったら、日本は酷い職場がまだまだ隠れていますから、あの企業もそうなのか...という感じで情報公開できて、良いと思います。
そういう企業は、応募者が逼迫して、業務が滞ってしまえばいい、と、はっきり思います。そういうハラスメント行為に加担しているのですから、そういう行為の報いを、そこの社員もちゃんと受けて欲しい。そうすれば、公的な法律上の決まりより、私的な制裁行為を優先させるような行為も止まるでしょう。


私は、ある意味、AKB の今回の騒ぎは、日本を覆うイジメの雲みたいなものを象徴するような出来事だと思います。イジメではなく、各自の良き行為を褒めあう社会にしたいと常々思っている私は、この事件を、各自の発想を考え直す機会にして欲しい*5、と思います。

関連リンク
http://wirelesswire.jp/london_wave/201302010745.html
AKB48's Minami Minegishi Demoted To Trainee, Shaves Head As Punishment For Scandal | JpopAsia
見損なったAKB48: Matimulog

*1:コメント欄に、英語で悲しみのコメントが。"I don't understand why shy want to shave her head for the punishment.....this is so bizarre" とか言われてしまっています。他にも色々。読んでみてください。

*2:他の国にもあるかもしれませんが、それには触れません。ひとまず、私が生きているのはこの国ですし、特に国を移るつもりもないので。

*3:勿論、食事休憩の時間でした。ですから、労基法無視ということでもありますが。公的な法律を守るのではなく、私的な感情論を優先させているわけです。

*4:当然ながら、派遣社員にはボーナスはない。

*5:そして、反省せずにハラスメントに加担しているような奴等は、一度同じ気持ちを味わってみろ、と言いたい。