luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

何故、はやぶさが持ち帰ったものが貴重なのかが分かる良書。 書籍「星のかけらを採りにいく」

宇宙から降り注ぐ、宇宙塵、それには色々な貴重な情報があります*1
今までに、宇宙塵から分かった、宇宙で生じた複雑な物質のこと、そして、今では生物発祥の故郷は、構成する原子自体を作った、宇宙空間かも知れない、という、『バクテリアの起源は「宇宙空間」である?』という話が語られます。
昔、『原始地球で、有機原料から生命の材料が作られた説』、こっちの方を覚えていたので、それが否定されている事や、『生命の起源が宇宙空間かもしれない説』を、最近知って驚いていたりします。でも、この説、フレッド・ホイルが証明しようとしていた*2、という話なので、結構昔からの話、みたいですね。
宇宙空間で作られたバクテリアは、自身を守る殻を持ち、地球の大気圏突入にも耐える可能性を持ち、地球に到達していたかもしれない。
...そして、それと同様なものは、イトカワ位の小惑星に存在する可能性がある。
イトカワ程の大きさの小惑星に保存されているもの、というのは、どうやら、太陽系が形成された頃の物質を意味するようで、つまり、そこから物質を持ち帰るということは、太陽系の起源の謎に迫ることが出来るかもしれない、という事も意味する、とのこと。
書きすぎると、読む楽しみがなくなってしまうと思うので、ここら辺で内容の紹介は終わりますが、読んでいくにつれ、そういったハヤブサの工学技術実証実験機以外の、科学研究結果の側面が分かってくる、良い著書だと思いました。
時々出てくるコラムにより、矢野さんの子ども時代が分かる、おまけ付き...。

関連リンク
はやぶさプロジェクトサイト トップ
JAXA | 小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)

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*1:逆に、隕石にはそういう要素がないのが、なかなか新鮮だった。形成サイズの違いとかもあるので、その由来とか、源となる天体の違いなのかな?

*2:この書籍では、p.95