今日の記事は、私がチェックしているサイト『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/』のブログ記事、『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=6752』を受けて、の内容です。
本来、脳トレについて色々言われていることはあるのですが、本職の脳神経学者からは、効用に対して疑問が提示されていました。
「実は効用はないのではないか?」、もしくは「それは限定的なのではないか?」
これは、リンク先でも紹介されていますが、例えば『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=3778』の記事にある、英国の疫学論文『Putting brain training to the test』によるものとかがあります。
脳に関する研究は、右脳左脳みたいな実は証明されていない概念、いわゆる脳神経神話とも呼ばれている、科学を装った間違い説が多いのです*1が、脳トレに関しても、色々疑念が提示されていました。
そしてリンク先記事にもありますが、その疫学論文への反論として、限定的な効果に関して示されたものになります。
論文は『Brain Training Game Improves Executive Functions and Processing Speed in the Elderly: A Randomized Controlled Trial』です。
...なお、実験のデータ収集に関しては、二重盲検など正確性を保持するための試みは行われていますね。
ただし、今回の研究は非常に小規模の集団であり、数十人の内容ですので、大規模集団での再現性を今後確認して行く必要性はあり、この結果が否定される事態になる可能性も十分あります。
『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=6752』より。
44名リクルートしたんですが、まず12名がそもそも実験への参加を辞退し、さらに16名ずつに割り振った後も色々な理由で脱落者が2名ずつ出て、最終的に14名×2群というラインナップになった...
http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=6752
実験結果を見ても、効果も測定者の状況も、限定的な弱い効果に留まっている感があります。
そもそも、高齢者限定の効果ですし、それが弱い効果であることを考えると、この論文の結果も、脳トレの効果を後押しできる内容か、というと非常に心細い内容のようにも思えます。
『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=6752』より。
「認知機能の一部には確かに脳トレによる改善効果があることが立証された」としながらも、「それでも認知機能全体の改善効果があるわけではない」
http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=6752
上記の記述や、実験結果を見て、効果として際立ったものがあるかというと、うーむ、という感じです。
まあ、私自身は脳トレというのは単なるお楽しみのゲームであって、いわゆるゲームを経験することによる、ゲーム対戦成績みたいなスコア、いわゆるゲームの習熟度というものが上がることはあっても、一般的な脳の能力が上昇するとは考えていません。
今回の結果も、微妙な結果のような気がしますし、高齢者への効果も限定的なものになると思っていますので、ちょっとした刺激になるよ、程度くらいと考えればよいのでは、と思う。
『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=5342』などの内容があることから見ても、例えば運動などでの改善を図った方が良いようにも思えるし。
ま、脳トレは単なるパズルゲーム、と考えておけば良いんですよ。遊び、お楽しみ、です。
関連リンク
『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/』『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=6752』
『Brain Training Game Improves Executive Functions and Processing Speed in the Elderly: A Randomized Controlled Trial』『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=3778』
『Putting brain training to the test』
関連リンク(脳神経神話)
『http://viking-neurosci.sakura.ne.jp/blog-wp/?p=4601』
『テクノロジー : 日経電子版』
『Understanding the Brain(OECD 2007 Executive Summary)』参考書籍
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*1:参考記事→『テクノロジー : 日経電子版』