忙しいし、いわゆる患者*1の周辺情報になるし、守秘義務だって、そういうことには当然課せられる義務なので、手短に言うけど。
『http://kyumei.me/?p=186』の記載。これ、おかしくないか?
既に、この情報は公式*2に否定されているが、内容をちょっと見ただけで、変だという事が分かる。
各都道府県の国公立医師会病院の統計によると、今年の4月から10月にかけて、
「白血病」と診断された患者数が、昨年の約7倍にのぼったことが21日に判明した。
これを受けて、日本医師会会長原中勝征は、原発事故との因果関係は不明として、原因が判明次第発表するとした。白血病と診断された患者の約60%以上が急性白血病で、
http://kyumei.me/?p=186
統計をとりはじめた1978年以来、このような比率は例が無いという。
まず、私の身近な該当疾患の医療機関からの情報。一応、そういう疾患の対象患者からの話、という伝聞情報で悪いが、そういう医療機関*3が混雑している情報は無い。この根拠は、あまりに主観的で申し訳ないが。...医療機関への妙な問い合わせ*4が増加していて、愚痴は聞かされたけどね。
7倍になっているのなら、単純に考えても医院への来訪者が7倍になっていないといけないんだけどね。
普通に考えて、対象患者が7倍になるなんて顕著なこと、全然隠せません*5よ、普通に考えても。
あと、とても不思議なのが、急性白血病の比率。増えた、と言いたいようですが、『http://pathy.med.nagoya-u.ac.jp/leukemia/node4.html』によると、
急性白血病と慢性白血病の比は約4:1です。急性白血病の内、骨髄性とリンパ性の比は、成人では約4:1、小児では逆に約1:4です。わが国の年間白血病発生率が欧米の10万人当り7-8人に比較して低いのは、慢性リンパ性白血病が極端に少ないためです。
http://pathy.med.nagoya-u.ac.jp/leukemia/node4.html
明らかに減ってる*6...。少ない慢性白血病が、逆に 40%*7に増えてます。
あと、急性白血病って、名称がそう書かれてますが、誤解され易い病名ですよね?
『http://pathy.med.nagoya-u.ac.jp/leukemia/node3.html』より。
がん化は血球を作るもとになる造血幹細胞のレベルでおこり、血液細胞の分化・成熟のある一定の段階で分化が停止し、それより上流の未分化な芽球細胞が増殖して腫瘍を構成している場合と、生体の調節能を逸脱し自律性増殖を示すものの、一応分化・成熟する能力を保持している場合があります。前者は急性白血病、後者は慢性白血病や骨髄異形成症候群です。
http://pathy.med.nagoya-u.ac.jp/leukemia/node3.html
病態が急性という傾向はあるものの、分類上としては「未分化な芽球細胞が増殖している場合」に、急性白血病と呼びます。
ちなみに、広島原爆並みの被爆を受けたとしても、発病は約二年後*8。
今回の福島原発事故のちょうど二年後あたりは、特に作業員を中心に予備調査は必要だと考えてはいるが、さすがに周辺住人に対しては、生活上の間違えた対応をしていない限りは、特に顕著な問題は発生しないと推測している。
勿論、政府や各機関の対応の不備などもあるし、総てのことに対してリスクなしと言えるか、というと、それはゼロリスク症候群になってしまうので、そんな事は言わないが、あまりに騒ぎすぎると、本当の問題が覆い隠されてしまうと思うので、もう少し冷静に事実関係を考えていけたら、と思うし、周囲にもそういう行動を希望している。
先日も取り上げたばかりだが、がん自体の生存率は上がっていて、今後は慢性疾患として長く付き合う病気、不治の病というイメージを払拭していこう、という動きがある*9。
何を考えて、この掲示を行ったかはわかりませんが、そういう事があるんじゃないか、あるんじゃないか、と思っていると、とかく物事をそっち方向に見誤りがちだと思う*10。
今回の件、似た疾患で闘病を行っている患者さんにとっては、こういう話って、心理的に嫌な感じ、するんですよね。
自分の病気が妙な方向で、いろんな処で取り上げられていたら、患者はどう思うか、少しは考えて欲しい。興味本位で、根掘り葉掘り聞かれるような行動は、患者は一番嫌うんですよ。それでなくても、闘病中はとても不安なのに。
何か、最後が取り留めなくなってしまいましたが、今日のところはこの辺で。...実は結構腹が立っていたりします。
関連リンク
『http://kyumei.me/?p=186』
『http://www.med.or.jp/people/info/people_info/000614.html』『http://pathy.med.nagoya-u.ac.jp/leukemia/node3.html』
『http://pathy.med.nagoya-u.ac.jp/leukemia/node4.html』
『2011-08-30』『持病としての闘病を知る(5) 「番外編2 自己感情を優先し、現実を優先しないことについて」 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック』
『https://aspara.asahi.com/blog/hiroba/entry/RHVN6ZFjoP』より。
それでも、職場や学校では病名をはっきり言いにくいといいます。
「白血病」と口にするだけで、「不治の病」というレッテルを貼られてしまう、そいういう決めつけで相互理解への糸口の切れてしまうのがつらいと訴えます。
これまで、悲劇のヒロインが白血病に亡くなっていくようなドラマがありました。
昔の医学水準では難しい病気ではありました。今では画期的な治療法ができたのに、一般の人がもつ病気の印象は昔のドラマのまま。これが、病気への理解を妨げている一つの要因ではないかと指摘する患者さんもいました。
https://aspara.asahi.com/blog/hiroba/entry/RHVN6ZFjoP
*1:知り合いに、この病気の人がいる事は前に話したが、詳細を語る気はない。
*2:『http://www.med.or.jp/people/info/people_info/000614.html』
*3:まあ、知り合いの素性が割れてしまうので、該当の機関は書かないです。別に、必要以上に信頼される必要は無いので、これ以上書かない。
*4:つまり、診療に至る内容ではなく、単なる問い合わせ。
*5:普通の病院で、来訪者が7倍になったら、その待合室は顕著に混雑して、多分入りきれない...。
*6:80%→60%
*7:推測するに、通常は 20%。
*8:『2011-08-30』あたりを読もう。
*9:『持病としての闘病を知る(5) 「番外編2 自己感情を優先し、現実を優先しないことについて」 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック』で取り上げた。
*10:で、実際に迷惑かかるのは、本当にその病気で闘病の人だったり、言われている地域の人だったり。