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詭弁論理に対抗するメソッド、感情をかき乱す言葉を「最初に」外す。

この件については、何かやたらと「感情的に」かつ「失礼な言動*1」で噛み付く人が多くて、何か可笑しかったけど。
原発関連情報の取捨選択に役立つ、糸井メソッド - Togetter』の話です。
大元の話はこれですよね。

福島原発事故後に糸井さんがツイートした言葉です。それを紹介すると――。ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。(続く)
hidetoga 2011/11/24 13:02:41

「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。――以上です。それぞれが含蓄のある、示唆に富んだ選択基準です。特に私が感銘を受けたのは、「より正義を語らないほう」という言葉。
hidetoga 2011/11/24 13:06:55

この言葉で、糸井さんは正義を否定しているのではなく、「正義を声高に語る」ことに違和感を表明されているのだと、私は理解しています。
(後半略)
hidetoga 2011/11/24 13:10:36

http://togetter.com/li/219545

で、一番最初に念のために書いておくけど、「あくまで最初のフィルタ」であって、残ったものが正解という訳ではありません*2よね。
実際、選んだ後、それが絶対の正解、なんてのは特に語っていないわけで、そこの言葉をも補足してしまうと、それこそ「正義を語る」ことになってしまいますので。語られていないことまで補足して批判するのは、いわゆる「わら人形論法」です。


私のコメント。

このメソッドは初期フィルタで、感情が充填された言説、もしくは、煽っている言説を外す、って奴ですね。 別に残ったものが正解になる訳ではないけど。 最初に粗い網で、見誤りを誘導する危うい言説を排除するものですね。

特定の見方に偏り過ぎている場合、相手の感情に訴えて、自分の論理の粗を見えにくくしている事は多いので、そういう言動に「操られない」ために、特に自分が「感情に左右される状態」になっている時に、それを外すための初期フィルタ、ですね。

自分が、煽ってなければ、最初のフィルタには引っかからないので、ま、普通に黙っていれば良いのではないかな。 最初のフィルタに引っ掛かっていなければ、ま、聞いてはくれる。無論、それが正しいかは、内容を検証すれば分かる。

http://togetter.com/li/219545

ちなみに、「感情が充填された語」というのは『【詭弁・レトリック】感情が充填された語』で出てきていまして、下記の構造を持つ。

「感情が充填された語」とは、ネガティブな、あるいは大げさな印象を読み手に与える言葉を使用し、読み手の受ける感情が書き手にとって都合の良いものになるよう操作する詭弁です。たんに「充填された語」とも呼ばれます。

http://ronri2.web.fc2.com/kiben05.html

◇なぜ充填された語を使うのか?
充填された語を使わずに主張を書くと、論理の構造が丸見えになってしまいます。そこで論理的な主張ができない人は充填された語を使い、論理構造を覆い隠すのです。そうすれば論理に欠陥があっても、正しいように見せかけることができるからです。

http://ronri2.web.fc2.com/kiben05.html

結局のところ、それが肝だと思う。要は「スキャンダラスな内容」「失礼な物言い」「脅す言葉」「正義を語る」、これらはみな、感情が込められていて、本来の論理構造がそれによって覆い隠されてしまっている。
そこが問題であって、そこを外した言説を選ぶと、必ずそう決まっているわけではないけれど、論理的な構造がはっきりした言説が残る*3、と。
で、何かやたらとコメント欄が沸騰している*4ので、良い演習問題になっているので、対象の togetter のコメント欄の内容を、このメソッドにかけてみるのも一興だと思います。...ちなみに、私のコメントはどうですか?
なお、ネガティブな印象を充填する以外にも、ポジティブな印象を充填する、という詭弁*5もあって、参考に紹介したサイトにも記載はあるのだけど、異様に丁寧だったり、失礼の裏返しで、やたらと褒め上げたりしているのも、この類です。
「ポジティブな印象を充填された言葉を使用する」というのがそれです。


結局、どちらも騙す、という意味では変わりないので、そういう言葉に出会ったら、自分の感情に訴えかけるような言葉ではなく、どちらかというと淡々と話すような内容に分解し、自分で言い直して、自己分析をかける、というのも手法の一つだと思います。
実は、大昔から言われている内容を、言葉として言い直しているだけだと思うので、一生懸命に言い返してみたところで、数千年くらいは言われている内容*6だと思いますので、派生した言葉をあげつらう事はできても、本質的な論の正しさ自体は特に揺るがないように思う*7

関連リンク
原発関連情報の取捨選択に役立つ、糸井メソッド - Togetter

【詭弁・レトリック】感情が充填された語
詭弁(きべん)・誤謬(ごびゅう)・レトリックとは?

ハンロンの剃刀 - Wikipedia

*1:罵倒してみたり、全否定してみたり(苦笑)。見事にフィルタに引っ掛かってる...。脅かしているのも、いたねえ...。

*2:「参考にする」って言っているし。

*3:言われている条件は、若干荒いので、当然そうとは限りませんが、かなりそういう傾向のものが残るはずです。少なくとも、聞いている相手の感情を乱す部類のものは残りません。

*4:脅したり、失礼だったり、見事に条件に当てはまりそうなものが発生している?

*5:こちらについては、特に糸井さんは言及していないと思うが、「正義」に関することが若干かかっている気もする。

*6:アリストテレスとか、そこら辺からでしょう。

*7:なお、ハンロンの剃刀、「無能で説明できることに悪意を見ない」というのは、陰謀論を排除する際に役に立つと思うのだが、基本的に、人間の優秀な人というのは限られているから、本当に一握りの悪意の企みを除いては、そういう風に見えても、それは無能の証明に過ぎない、という事だと思う。優秀な人が集団を構成しても、それが官僚主義や、情報伝達不全等で無能化するのは、非常にありふれたことなので、限定されたごく少数の例を除いては、問題発生が基本的には無能からくる結果、というのも正しいと思う。