luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

正当な批評と、中傷は違う(ネット上の発信は、既にメディアである自覚を持つ)。

そもそも、人としてどうか? という話*1でもありますが。
“共有”か“盗撮”か 他人を無断撮影して投稿、炎上する学生相次ぐ - ITmedia NEWS』についての話。

「ちょおキモいのいた」──他人を携帯電話で無断撮影し、中傷的なコメントを付けてネット公開していた大学生らが“炎上”する騒ぎが相次いでいる。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1111/12/news020.html

肖像権や、相手の人権侵害。他にも、各自の秘密に関する暴露、情報の拡散という形であれば、プライバシー権の侵害にもなり得る話だろう。
まあ、直近の話だと、刑法上の罪刑定義だとここれへんか?*2
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html#1002000000034000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000』より。

第三十四章 名誉に対する罪

名誉毀損
第二百三十条  公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
2  死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。


(公共の利害に関する場合の特例)
第二百三十条の二  前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。
2  前項の規定の適用については、公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為に関する事実は、公共の利害に関する事実とみなす。
3  前条第一項の行為が公務員又は公選による公務員の候補者に関する事実に係る場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときは、これを罰しない。

(侮辱)
第二百三十一条  事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する。

親告罪
第二百三十二条  この章の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2  告訴をすることができる者が天皇、皇后、太皇太后、皇太后又は皇嗣であるときは内閣総理大臣が、外国の君主又は大統領であるときはその国の代表者がそれぞれ代わって告訴を行う。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html#1002000000034000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000

基本的には、「公然*3と事実を摘示し、人の名誉を毀損」してますから、名誉毀損になりますよね。
勿論、名誉毀損罪、特に刑事告訴される内容ともなると、かなり明確に相手の名誉を毀損する内容にならないと認められないだろうし、民事訴訟として、損害賠償するにしても、それに準じる内容になるであろう。
しかし、そういう嫌疑がかかるような行為を、人の容易に目に付くような、ネット上に公開して、炎上しないというのは、あまりに世の中をなめてやしないか?


私も、たまに携帯で電車や街角の風景を写真に写している人を目撃することはある。自分や友人、または花や、空の風景を写しているのであれば、特に問題ないと思うが、他人を写し、それもその写真で侮辱するというのは、明らかに自己の権利の範囲を逸脱した行為だろう。
それは、仲間内で見ている分には、非道の行為ではあると思うが、公知されていないのだから、他人に指摘されることはない。
しかし、一旦ネットに公開しているのであれば、それは誰でも見られることを意味するのであるから、炎上して当然であろう。


例えば、非常な行為や、問題にすべき点がある人物が居て、社会的な義憤に駆られた場合は、社会的な批判の観点に限定して、何らかの表現を行うのは、刑法でも「公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあった」とされているのであるなら、許される*4
しかし、その場合にも個人を特定すべきだとは思わない*5 *6
勿論、政治家など公人の場合は、正当な政治的姿勢や、公的行為の指摘なのだから、適切な表現で、それを行うことは逆に推奨されると思う*7が、それはそれ。


自分がブログを持つ、という事は、自分もマスコミと同様に、メディアになる、という事である。その自覚を持たないと、記事のように炎上の浮き目に合う、という事だ。
ある意味、他山の石としたい事件でもある、と思った。

関連リンク
“共有”か“盗撮”か 他人を無断撮影して投稿、炎上する学生相次ぐ - ITmedia NEWS
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/M40/M40HO045.html#1002000000034000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000000

http://www.47news.jp/CN/201111/CN2011111101000576.html
名誉毀損や業務妨害について -主にネットにおいて、ある人物や会社、団- その他(法律) | 教えて!goo
名誉毀損提訴に関する、一般的訴訟の推移の考察 - Togetter

*1:「人権意識ないんですか?」という事ですけどね。

*2:一応、法務職ではないので、「参考意見」という話なのは、一応断っておく。

*3:ネットに公開している。

*4:「これを罰しない。」

*5:だから、写真をそのまま使用するなどの行為を行いたいとは思わない。

*6:私も通報するまでにはいかないが、周囲に危険と思われる行為に及びそうな人物を見かけた際に、twitter 上で注意喚起を行う事はある、しかし、その場合にも危険行為を書くのみで、本人の特定に至る記載は避けている。それは危険を指摘するのが目的で、相手を貶めるのが目的ではないからだ。

*7:正当な行為を弾圧するのは、正しいこととは言えないが、勿論、それには、それが正しいかどうか、判定する必要が出てくる。