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大深度地下利用に関して、近年の動向。

加速器って丸くないの? - Togetter』にコメントした関係で、その後も情報を確認していたら、既に法律が施行されてましたので、記事にしてみました。*1


元々、土地所有者の所有権については、既にコメントしている通り、各法律によって上下方向については公益による制限を受けます。
民法第207条 - Wikibooks』より。

(土地所有権の範囲)
第207条
土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。

http://ja.wikibooks.org/wiki/%E6%B0%91%E6%B3%95%E7%AC%AC207%E6%9D%A1

この条文は、土地所有者の所有権という権利が、上下に無制限に及ぶわけではなく、法令の制限を受ける、と設定しており、基本的にそれは公益*2による法律・条例によって、私権*3が制限されることを言っています。
元々の話題は、加速器の設定に関して、下記の内容が言われている折、コメントを行ったわけですが。

御意。日本では放射線発生装置の安全管理の件、そして地上土地所有権の外挿(内挿?)が地下にも及ぶ、の二点をまず解かないといけません。 RT @pendulumknock: なるほど、向こうは大胆ですねー。日本だと放射線防護…以前に床下を掘らせてもらうだけでも揉めそうですね。
nobutoge 2010/09/27 22:55:46

http://togetter.com/li/54247


実際には、法律『http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO087.html』が既に成立しています*4

大深度地下の公共的使用に関する特別措置法
(平成十二年五月二十六日法律第八十七号)

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO087.html

ただし、この特別措置法、『臨時大深度地下利用調査会答申 概要/国土交通省』にあるんですが、「適用事業:鉄道、道路、河川、電気、ガス、通信、水道等の公益性のある事業。」なので、研究施設は範囲外になっているようですね。
ただし、今後、改正していくと思われるので、加速器のような大規模研究施設というのは、公益に関係する*5と思われますので、新設の施設に関しては考慮されていくのではないでしょうか。
ちなみに、現在の想定は都市圏のようですが、法律条文は下記の内容ですので、そこらへんは利用の要件次第のようですね。

(対象地域)
第三条  この法律による特別の措置は、人口の集中度、土地利用の状況その他の事情を勘案し、公共の利益となる事業を円滑に遂行するため、大深度地下を使用する社会的経済的必要性が存在する地域として政令で定める地域(以下「対象地域」という。)について講じられるものとする。

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO087.html

加速器の運営母体である研究機関が、対象事業になれば、この法律の適用範囲となりますので、改正の要望を出していくことで、施設建築の促進も図れると思います。
なお、詳しい説明は、『‘“yŒð’ʏȁ@ŠÖ“Œ’n•û®”õ‹Ç』『臨時大深度地下利用調査会答申 概要/国土交通省』あたりをご覧ください。

関連リンク
加速器って丸くないの? - Togetter
‘å[“x’n‰º—˜—pÀ’k‰ïi–@§•ª–ìj
民法第207条 - Wikibooks
LHC

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H12/H12HO087.html
平成二十三年八月三十日法律第百五号 の未施行内容
‘“yŒð’ʏȁ@ŠÖ“Œ’n•û®”õ‹Ç
臨時大深度地下利用調査会答申 概要/国土交通省

*1:コメント中で、座談会『‘å[“x’n‰º—˜—pÀ’k‰ïi–@§•ª–ìj』までは紹介していました。

*2:公的利益。公共の利益。

*3:個人の権利。私的権利。

*4:なお、近年改正されており、改正内容は『平成二十三年八月三十日法律第百五号 の未施行内容』にあります。

*5:というより、国際協力とか、科学への貢献、みたいな世界規模の内容のように思えますが。