luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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持病としての闘病を知る(1) 「このシリーズを始める理由(わけ)」

このシリーズを始めるにあたって。

これは実は連載です。というより、恒久的に追っていく内容と考えています。
...何故、このシリーズを始めようかと思ったか、述べます。
前々から、実は病気の長期にわたる闘病、人の持病としての病気との付き合い方、についての記事エントリーを書こうと思っていました。


みなさんは、常に、自分の生活の傍らに病気がある人の事を考えたことがありますか?
私はあります。というより、私の近くに居る人、また、私自身がそうなのです。


私自身の病気については、特に述べることはありませんが、私の近くに居る人の病気はずっと付き合っていく病気ですし、基本的に治ること*1はありません。


こういう闘病という生き方は、結構辛いものです。
病気の存在を忘れることができませんから。また、その病気の状態によっては、QOL、つまり生活の質*2が変化することは避けられず、自分の感情としての心理状態も、病気に引きずられます。
私が「論理療法*3」を、自己の行動指針としているのも、また、懐疑的論理として、周囲環境を考察するのも、行動方針を論理的に行動する事に努めているのも、これに起因します。
...そうしないと、あまり気分良く生活できないんですよ。


さらに、こういった病気の闘病は、実際に病気にかかったことのない人にとっては、とても理解が難しいようです。私は、自分自身の病気のことは、基本的に語りませんし、親しい間柄でも、この病気に理解ある人にしか内容を語りません。
何故なら、非常に無責任で、無理解な返答が返って来る事が多いからです。
あと、病気であることを公表していると、その内容にやたらと絡めて、こちらに話しかけてきたりします。
こちらは、病気が日常ですから、病気が傍らにあることは当たり前で、人とは別の会話をしたいのに、ウンザリするほど、同じ典型的な偏見や、誤りがある実感のない内容を聞かされる日々。...そういう事に気を使ってくれる人との会話はともかく、無神経な人との会話は、本当に疲れます。
また、こういう長期には渡る病気は、あえて不確実な治療法である事実を伏せ、それがあたかも確実唯一な治療法であるかのような、強いパターナリズムを伴う思想に翻弄される事があります。非常に厄介な、患者に特定治療のみがさも確実であるように喧伝する「演説スピーカー」が、かなりの頻度で出現*4するんですよ。
こういう人は非常に厄介で、代替療法、ニセ医療に誘導する人も多く、かえって闘病の状況を悪化させます。


そういう、傍らに病気が常にある人、また障害者のように、生来、もしくは後天的にハンディキャップを持った人、について、その人なりの生活、そういう負の存在が常に傍らにある生活について、常に考えていますし、今後も考え続けて行きたいと思っています。
このシリーズは、そういった理由から、始めるものです。


今回は、上記の宣言と共に、ほんの少しだけ、特定の疾患について触れて終わろうと思います。と、言うのにも、このシリーズを開始する際に、ほんの少し気になる病気の話を耳にしたからです。
病気の名前は「三叉神経痛」です。

別名、自殺病?*5

最初に、この病気に触れようとしたのには、会話の中で、この病気について話されている内容に、ぎょっとする言葉があったからです。
その言葉は「suicide disease.」。和訳すると「自殺病」です。
気になって調べてみました。病気の概要は『三叉神経痛 - 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 - MSDマニュアル家庭版』『http://www.azm.or.jp/ha_3m.html』で読めますが、かなり原因が掴みにくく、完治も難しい病気のようですね。病気が生活の傍らにあるという定義で言えば、このシリーズの内容にもあっているようでした。
三叉神経痛 Trigeminal Neuralgia』にこういう記載があります。

三叉神経痛の説明には’あらゆる病気の中で一番痛いもの’という記述がつきもののようです。17世紀頃からこの病気についての文献が残っているようですがつい最近まではまともな治療方法がなく患者はそれはそれは酷い目にあってきたようです。闘病時のカーチャンの様子をしっかり観察してますのではっきり言えますがめちゃくちゃに痛いようです。昔はこの痛みに耐えかねた自殺者も少なからずあったとの話しにもうなずけます。

http://www.geocities.jp/syamu_buta/Titles/TN/TN-Common/TN-Exp.htm

これが自殺病の由来のようですね。また、調べてみると、この病気も周囲の理解が得られにくい病気のようです。

患者にとって気の毒な事はまだまだあります。外見は健康体なのです、まして他人にはこの痛みの凄さはすぐには理解されません。しゃべれば痛い、食事をすれば痛い、化粧をすれば痛い、外気に触れれば痛いとなるとどうしても家に閉じこもりがちになりその上自分の中へも閉じこもってしまいます。少しずつ進行してるので家族もなかなか気付かないし最悪の場合は仮病扱いもされかねません。そして患者が主婦の場合、そしてこのケースが一番多いようですが、家庭の雰囲気が少しずつしかし確実に暗く沈んで行きます。我家もそうでした。

http://www.geocities.jp/syamu_buta/Titles/TN/TN-Common/TN-Exp.htm

...理解のされにくさは、私の病気以上かも知れない。
多分、まだまだ、こういった「存在はするけれど、認知されていない病気」は、多いのでしょうね。
これから、このシリーズでは、ちょっとそんな面から、病気について書いていきたいと思っています。末永くお付き合いの程を。

関連リンク
特集:保健医療分野におけるQOL 研究の現状 総論−QOL の概念とQOL 研究の重要性 土井由利子 国立保健医療科学院疫学部

三叉神経痛 - 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 - MSDマニュアル家庭版
http://www.azm.or.jp/ha_3m.html
三叉神経痛 Trigeminal Neuralgia

手紙 〜拝啓 十五の君へ〜 卒業 - YouTube*6

*1:症状改善はありえますが、病気自体は生涯消えません。

*2:Quality Of Life.

*3:実践には、自己知識の「認知/社会心理学」も応用します。

*4:きっと、色々付け入りやすいと思っているのでしょうね。患者には、「またか...」という気分で観察されているのですが...。

*5:suicide disease.

*6:未来の自分との対話。多分、闘病中の人は、結構未来の自分、過去の自分との会話をしようとした事があるのではないかな...。