luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

テレビや、映画版は知らないが、原作は自分に気づく過程を描く、モテキ(実はタイトルあまり関係なし)。

多分、モテキと付けたのも、単純にキャッチフレーズであって、きっかけの出来事に過ぎないんじゃないのかなあ、と思っている作品。
最近、映画も封切りになってて、そっちは見ていないのだけど、マンガの方は結構前に読んでた。最近発売になった、4.5巻*1も、買って読んだのだけど、これはまあ、余分かも。


この作品、結構評価が難しいのだけど、私は、主人公が自ら動くきっかけを掴むまでの経緯を描いた作品、と捉えました。
「モテ期というのがあるのか」とか、「妙に主人公がハーレム系のエピソードになる」とか、「『草食系男子』とかのキーワードで語られることもある」ようです。また、いわゆる女性にモテるタイプ*2からも評価されてて、作者が意外に思っている、という話があるのですが、作者のそんな気持ちがあるように、明らかに、モテない人へのエールを狙った感じがあります。


(以降、ネタばれあるかも。)
最初のエピソードで、主人公が「抱きしめて欲しい」と願って、そうなる話があるのですが、何となく、その話が最後までの話の流れを、ある意味物語っているのではないのかなあ、と思いました*3
作者も、主人公の戸惑いの台詞に呼応して、あの最後で、「言いたいことまでちゃんと描いている。」と後書きに書いているのですが、実際、確かに四冊も必要だったのかな? と思えるほど*4ですね。
結局のところ、最後で明かされるように、「夏樹さんの行為、好意?」は、彼女の行動方針たる、規定路線に嵌ったり、そういう人と思われるのが好きではない、という性格*5が反映しているというだけです。まあ、こういっちゃうと、身も蓋もないんだけど。


作者が女性のこともあって、主人公というよりは、主人公を取り巻く女性の登場人物に、色々な女性の意見を言わせているような処*6もありますよね。いつか*7チャンも、4.5巻で、自ら歩みだしているようだし、まずは良かった?のかな...。


一応、ラストの意味に触れておくと、結局のところ、主人公に考えさせ、言わせているところは、自分の内容を語れ、相手に対峙しろ、という内容だけ、それだけだと思います*8
だから、あの場で、亜紀さんと今後うまく行くかどうか、というのは実は関係ないんですよ*9
その点で、作者が「リア充」に支持されているというのが、良く分からない、というのは、そういう感想を持つだろうなあ、とは思いました。
変に、物語自体に、タイトルに絡んだ期待をし過ぎなければ、結構読んで楽しいマンガ*10だと思います。
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*1:というのかな。映画化対応の新刊。某撮影現場の女性のその後が描かれている作品が掲載されてたり、過去、主人公が描いていたマンガが掲載されてたりする。

*2:流行の用語で言えば「リア充」かな。

*3:ちなみに、某漫画家のエピソードに関しては、ここ実際には要らんのでは、と思えるほど、結局漫画家は「無関係」ですよね...。まあ、物語を撹乱してはくれますが...。もしかして、ここが異様に長くなってしまったので、本人の青年誌じゃあなくて、少年誌でもう一度復活したい、という願望を反映してしまったのかなあ、と邪推してみたりして(苦笑)...。

*4:最後の夏樹さんとの話は、彼の夏樹さんへの理解を描くための話で、その後に、もしかしたら終わってしまっているかも知れない、亜紀さんとのラストを描くのが、メインテーマを書くために必要な最低限のエピソードでしょう。

*5:ああいう性格の女性はいます。で、案外美人だったりもします。私の知っている、というか、付き合った人もそうでしたし、まあ、他の女性でも、ああいう傾向は量の多さ少なさはあるかもしれないけど、あると思うのですけどね。ま、私は男女交際体験も多くはないので、外しているかもしれないけど。

*6:亜紀さん、夏樹さんなんかは特に。

*7:この名前も、よく考えると意味深だな...。

*8:あと、いわゆる「モテ期」というのは冒頭でも少し触れたけど、物語上では単なる「振り、ツカミ」ですね。

*9:ただ、一点、男性側の視点で言わせてもらうと、関係がうまく行くのには、男性側のアプローチもそうだけど、女性側も結局積極的にならないと、お付き合い、男女交際にはならないので、そういう意味では微妙に女性側の偏見が入ってないかなあ、とは少し思っている。

*10:でも、ちょっと主人公がイタイと思うけど。