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luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

「ジャンクサイエンス」とは言い得て、妙。

放射線リスクの真実 〜ジャンクサイエンスに惑わされないために」という討論会の内容が興味があったので、読んでみた。書店に並んでいたが、他の書籍と比べて目立つ訳でもないので、意識して捜さないと、見つけにくいかも。


...震災後、特に原発事故後に噴出してきた、ニセ科学とも言うべき、過剰な放射線恐怖報道や、放射線リスク喧伝の言動、および行動。実際には、熱中症で即時に死に至る危険性の方が大きい状況下で、何故か、それを遮ってまで語られる低線量放射線の、やたらと細かい症例...。
ニセ科学、と呼んでも良かったのだが、本書で「ジャンクサイエンス」と呼んでおり、何かしっくりきたので、この呼び方も採用するかも。...とはいえ、ニセ科学の方が普及しているし、字数も少ないのではあるが。
討論会では、実際には自己発表の学会であり、査読というか、比較分析がされている訳ではない ECRR*1 が、何故か、ICRP と並べられて報じられるとか、リスクは単独で語られるものではなく、同時並行のリスクと相互評価して考察されるべきものである、とか討論会で語られた内容が書かれています。


現実的な問題に立ち向かっている人々にとっては、リスクは妄想の産物ではなく、ちゃんと理論比較されるものであるから、そんなのは当たり前の話である。
しかし、恐怖を喧伝させないと、自己存在の証明にならないような人たちは、「実際には西日本の方が自然放射線量が大きい*2のに、東京から西の地域に移動してみる事を勧めてみる。」とか、「他の重篤な症状を引き起こす可能性が非常に大きいのに、変な物質の服用または、処方を勧めてみる*3。」を行っている。
これだけでも噴飯ものだが、それを差し置いて、実際に現場で対応している人員に対して、誹謗中傷を行っていたりもする。
自分のデマは差し置いて、現場で必要にかられて採用した基準を、歪めて表現*4し、それを「安全デマ」と言ってみたり...。
今後、数十年で、何人か癌患者が増えるかも、というリスクよりは、今食べるものがない、というのであれば、注意深く食べると言う事もあり得るのに、それを非難してみたり。まさに、「ジャンクサイエンス」ですね。


...他の記事では、人工知能の分野で有名な、マービン・ミンスキー教授が数頁語っていたり、細かいが面白い記事があった。


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*1:ECRRと言う団体の主張バイアス、および一般論として論文発表の意味(検証必須) - Togetter』を参照。

*2:日本地質学会 - 日本の自然放射線量』を参照。

*3:http://synodos.livedoor.biz/archives/1796844.html』『http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/07/20l7k400.htm

*4:実際には『「福島県内の学校等の校舎・校庭等の利用判断における暫定的考え方」等に関するQ&A:文部科学省』に示されている通りに、「今後できる限り、児童生徒等が受ける線量を減らしていく...」としているのにも関わらず、基準を改めていない、と断じてみたり。