luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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ちょっとクイズ、リスクを把握するために。

先日、医療統計を把握するための参考文献を挙げた。
『[数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活―病院や裁判で統計にだまされないために]』という書籍。文庫としても改題されて『[リスク・リテラシーが身につく統計的思考法―初歩からベイズ推定まで (ハヤカワ文庫 NF 363 〈数理を愉しむ〉シリーズ) (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)]』で出ているが、文庫の方はまだ手に入れていないので、特にコメントしない。
下記のようなコメントをした。

RT @Mihoko_Nojiri: 素人向けの医療統計(の落とし穴」)が分かるサイトとか本とかってあります?(注意しないといけないということが分かればよい。)ばらつきとか、2つのものが同時に増えてるからって関係があるとはかぎらんとか、対照群の選び方とか @ynabe39 @morino_kumasan
posted at 2011-07-15 07:23:19

@Mihoko_Nojiri ゲルト・ギーゲレンツァー「数次に弱いあなたの驚くほど危険な生活」早川書房、はどうですか? 偽陽性偽陰性の話とか、リスクの伝達の話とか、乳がんの検査のメリット・デメリットとか、DNA鑑定の偶然の一致(ベイズ推定)の話も。図書館等で確認を。
posted at 2011-07-15 07:32:17

RT @Mihoko_Nojiri: あ、近そうですね。RT @rt_luckdragon: @Mihoko_Nojiri ゲルト・ギーゲレンツァー「数次に弱いあなたの驚くほど危険な生活」早川書房、はどうですか? 偽陽性偽陰性の話とか、リスクの伝達の話とか、...
posted at 2011-07-15 07:39:32

確かに医療統計を医療外の人が見るための資料は難しいが、さっきの、ゲルト・ギーゲレンツァーの本は密かにお勧め。例えば、通常のリスク層の人に HIV 陽性が出ても、偽陽性偽陰性の話を読んでおくと、実際には誤検知の可能性が大きい事が分かる。つまり、偽陽性。 DNA鑑定も万能ではーー
posted at 2011-07-15 07:47:26

ーーないって事も分かる。検査値には幅があり、経緯を見る事の大切さとか、年齢上の乳がん検診のリスク。生存率の評価の仕方とか。結構、お勧めの本ですね。医療関係者は分かっているような話ですが。
posted at 2011-07-15 07:49:36

http://twilog.org/rt_luckdragon


追記分...

おー。改題して文庫で出てたんですね。持ち歩きに便利だから、文庫でもう一冊買おうっと。情報ありがとう。 http://togetter.com/li/161682
posted at 2011-07-15 21:08:51

ちなみに、早川の該当本読むと、DNA鑑定で犯人の遺留品と DNAが一致しても、その人が犯人ではない場合があり得るとか、若年層で乳がんの検診をすると、場合によっては良くない結果を生む(余分な治療をしてしまう)とかの話出てきて、ためになります。http://togetter.com/li/161682
posted at 2011-07-15 21:17:00

乳がんの件については、少し前に医師のグループが、テレビ局のキャンペーンに物言いをつけて話題になりましたが、その背景を知ることができます。*1 http://togetter.com/li/161682
posted at 2011-07-15 21:19:47

http://togetter.com/li/161682


もう少しだけ、具体的な内容に触れるとする。


偽陽性に関しての面白い例題があるので、それをちょっと書き出してみる。

乳がん偽陽性についてのクイズ
(1) 40歳の女性が乳がんにかかる確率は 1%
(2) 乳がん患者が、X線検査で陽性と出るのは、90%
(3) 乳がんではなく、それでも検査結果で陽性と出るのは、9%
(4) 検査結果で実際に陽性と出た患者が、本当に陽性なのは?*2

こういう内容を把握するために、表現として「確率ではなく自然頻度」で、表現を行う事を書籍では勧めている。
これ以外でも実際に検査は、どの年齢層でどの頻度で行うべきか、とか興味深い例が頻発するので、かなりお勧めだ。
先に挙げたが、乳がんの検診について、何故、医師グループが懸念を表明したかも、上記の例以外にも具体的例が出てくる。リスク過多なのか、それとも?*3


...実際には本書を読んで確認して欲しい。この本の結論にも繋がる話ではあるのでが「確実性の幻に気がつこう*4。」という事なので。*5

説明した書籍
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*1:偽陽性の問題もあるが、実際に治療すべきでない良性のもの、死に繋がらない組織不良も発見されたりする。ちなみに、チェルノブイリで発見された際の甲状腺がんには、そういうものもあったので、実際には生存に関する危険率は言われているほど高くはないという話まである。ただし、それを言う場合は、どの論文の、どの数字か、を知らなくては意見を言えないし、この本で述べているように、不確実性は常に付きまとう事を知っておく必要がある。

*2:10% である。書籍では、これを自然頻度で表現して分かり易く理解させている。

*3:なお、検査自体を全く受けないのはお勧めしない。何故なら、若年性の真の乳がんは進行性も早いため。偽陽性に気をつける必要はあるが、検査自体はリスクに応じて受けた方が良いのである。

*4:「死と税金以外に確実なものは何もない。」

*5:今見直して気付いたが、原子力についての危険性を過大に評価する人々の描写もあった。今起きている現象を思えば、これはなかなか興味深い。ちなみに、危険性を過大に評価すると、それを喧伝する人に「騙される」事になります。