経験則だが、辛い気持も三日間くらい耐えると、ひとまずは落ち着く。
精神的な疾患だったり、違う内容を抱えていたりすれば別だが、何かショックな出来事を経験した後の辛さは、大体三日くらいだ。それを乗り越えた後、その気分が長く続く事もあるが、ひとまずのピークは三日くらい。
『自殺予防 メディア関係者のための手引き 2008年改訂版日本語版』より。
自殺の模倣に関する事実
これまでに、50を超える模倣自殺の研究がある。体系的なレヴューは、どれも一致して同じ結論を出している。それは、メディア報道が模倣自殺を引き起こしているということであり、さらに、そこにはいくつかの特徴があるということも示されている。
経時的には、報道開始から最初の3日間にピークがあり、約2週間で横ばいとなり、時に長く遷延するということである。それは、情報の量と影響力に関連し、特に、報道の繰り返しによる多量の情報と、強い露出度と最も強く相関する。それは、報道された人物とそれを読むユーザーに何らかの共通点があると、より強調されることになる。若者、うつ病に罹患している人においては特にその傾向があらわれる。さらに重要なこととしては、特殊な手段を用いた自殺について詳細に伝えることは、その手段を用いた自殺を増加させるということであろう。
ここにこうあるのは、そういった傾向に合わせての内容なのかも知れない。
三日間の感情惹起のピークに、少し続く憂鬱感、そしてゆっくりの衰退期。
社会的な影響については不明だが、個人の感情の変化を観察した経験上、最初の三日を耐えれば、まずは辛さが和らぐ。
その後の時々の落ち込みはあるが、何か気持ちを傾けられる行動、それは仕事でも、勉強でも、遊びでも良い*1があれば、それに集中していれば、段々気持ちは前向きになっていくものだ。
そういう気持ちになってきたら、今度は、自分の今後の行動を考えるようにして、自分の落ち込みの内容から、原因への対策の行動をしつつ、抜け出していけば良い。
ただ、一点、注意事項があるとするならば、元気が出てきた時は、色々な行動が試す事が可能な半面、前あった負の反動を試す事ができるという面もあるので、自分でそれに注意するのと同時に、できれば身近な人に、自分の行動を俯瞰してみてもらうようにしてみるのも良いかもしれない。
何れにせよ、精神的な疾患でない限りは、気分的な落ち込みはいずれ和らぐ。
...ところで、良いニュースが一つ。朝日が誤報を訂正してくれた。画像で、変更前、変更後を並べてみたので、確認して欲しい。実際には『自殺急増はタレント自殺報道の影響? 内閣府参与報告』で読める。
さて、これで、毎日の 7/9 一面報道が問題視される下地ができた訳だが、それはどうなるのだろうか?
それについては、また明日以降に書いてみたい。
関連リンク
『http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~psychiat/WEB_YSPRC/index.files/Page520.htm』
『http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~psychiat/WEB_YSPRC/index.files/Page1983.htm』
『http://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~psychiat/WEB_YSPRC/index.files/Page2298.htm』
*1:あまり没頭し過ぎるのも違う意味の問題を引き起こしそうなので、傾倒もほどほどで。