luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

過去の自分への警告。

彼女は、かつての自分をそこに見ていた...。


夕刻の通勤通学の列車内で、周囲を気にせず、甘い菓子を頬張る若い女性の姿*1


まあ、怠惰な姿ではあるが、そういう話とは別に、彼女には別の想いがあった。
あの頃、自分は何も考えず、そして何の知識もなく、無意識に、自分の幸福感*2に酔っていた。...それが何も生むかをよくよく考えもせずに。


思えば、母親には口うるさく、登下校の買い食いを咎められたっけ。
特に甘いものや、過度の余分な間食を咎める母親の小言を神経質に感じていた毎日。


結婚して家を出、周囲に母親の、その小言がなくなった時に、気兼ねが無くなった、とばかりに間食を堪能して、途端に体重が数キロ増えた。
周囲には、幸せ太りだわね、と囃され、特に気にもせず、時々母親が示す困惑の表情を気に掛けもしなかった。そして、母親が亡くなり、実家から疎遠になっていた事もあって、母親の病気の経過に大きな関心を示す事もなく、中年にさしかかり...。


少し気になってはいたのだ。
健康診断の検査結果に、気になる処はあって。
若い時に、一回、異常値が出た事があった。一回だけだったので、単なる検査ミスだよ、と無責任にも周囲と雑談して。母親の心配する言葉は、無論、右の耳から左の耳へ抜けて行った。


だが、検査値の数字は無情だった。今度は、一回きりのミス、ではなかった。二回目も同じ。再検査と精密検査。
生活習慣病の発見だった。


私は男性であるし、これは、私が体験談を聞きとったものであるから、誇張や誤りがあるかもしれない。歪みや、ニセ記憶もある可能性がある。
しかし、彼女が今、生活習慣病を発症していて、それもかなり良くない*3、というのは、これは事実である。


彼女は、こうも言っていた。「電車の中で、かつての自分とそっくりの女性を見かけたの。思わず、他人に言葉をかけそうになって、言葉をぐっと飲み込んだわ。母親の小言を笑い飛ばしていた自分を、今は恥ずかしく思っている。母親の亡くなる前の詳細を聞いてみなかったことも。」


単純に、間食を止め、適度な食事と、適度な運動をしていたら発症しなかった可能性もある*4。無論、それでも、単に発症の年齢が遅くなっただけ、という可能性もある。経過の変化は分かりません。


彼女が発症した生活習慣病は、糖尿病と言います。彼女の母親が亡くなったのは、その病状の合併症からでした*5

関連情報リンク
平成14年 糖尿病実態調査結果速報の概要について


糖尿病の調査・統計・数字 | 糖尿病ネットワーク
【2007年国民健康・栄養調査1】 糖尿病が強く疑われる人や「予備群」は2210万人 | ニュース・資料室 | 糖尿病ネットワーク

*1:この情景自体も、気になる人は気になるかもしれない。自己異常行為の習慣化を懸念するのであれば。...大人になって、あたりを憚らずに行っている行為の奇妙さに、自分も少し気付くべきだった、と彼女は言っていた。

*2:確かに血糖値が上がると、幸福感を生む。チョコレート効果なんて言葉もある。まあ、過度にこれに酔うと、チョコレート依存症なんてものもあるのだが。

*3:これから闘病が始まる。

*4:彼女はお酒は、ごく少量しか飲まない。

*5:詳細は伏せます。しかし、この病気は遺伝的な関連性もあります。なお、遺伝的素養は一因に過ぎないので、家族に同じ病気の人がいなくても、単独で発症する事もあります。人口比でいうと女性は少ないですが。