luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

今年の新入社員のタイプ。単純に分類できる訳ないんだから、悪用しない心得を。

個人的には、報道しない方が良いと思ってます。しても馬鹿にして、話題にしなけりゃいい。釣りだと思って、スルー芸を試されている話題なのでは、と思っています。


一応、報道などで歪まないように、一次情報から引きます。新入社員意識調査・特徴とタイプ | 日本生産性本部 から。

日本生産性本部では、新入社員を対象に就労意識をテーマとする調査を長年にわたって実施し、その年ごとの新入社員の特徴やデータの経年変化を発表してきました。また2003年以降、現代コミュニケーション・センターより新入社員のタイプ命名を引き継ぎ、毎年3月に発表しています。

(一部略)

平成29年度 新入社員のタイプは「キャラクター捕獲ゲーム型」
キャラクター(就職先)は数多くあり、比較的容易に捕獲(内定)出来たようだ。一方で、レアキャラ(優良企業)を捕まえるのはやはり難しい。すばやく(採用活動の前倒し)捕獲するためにはネット・SNS を駆使して情報収集し、スマホを片手に東奔西走しなければならない。必死になりすぎてうっかり危険地帯(ブラック企業)に入らぬように注意が必要だ。はじめは熱中して取り組むが、飽きやすい傾向も(早期離職)。モチベーションを維持するためにも新しいイベントを準備して、飽きさせぬような注意が必要(やりがい、目標の提供)。

http://www.jpc-net.jp/new_recruit/

元々の分析データの詳細が分からないし、そもそもがデータに偏りがあるかどうか等の検証もされておらず、さらには説明にも恣意的*1が見られます。
人は「あまり意味のない描写に、意味を見い出す」という心理傾向がありますので、この説明は心理面から考えるに、「作成集団に存在する妄想ないし、確証バイアスが顕在化したモノ」と推測され得る、と思います。
つまり、何を言いたいかというと、毎年発表されているのは、「新入社員の正確な分析像」などではなく、分析している集団の「偏見の発露」なのではないか、という事です。
そもそも、「多数の人間から構成される多様な人間を、そのような単純な表現内容で描写できる訳がない」ですよね。
単なる偏見のレッテル貼りなのですから、対応方法は、世の中の差別表現と同じです。
そんなありもしない藁人形を使って、対象の新入社員を貶めるような*2、藁人形論法なんかやめて、素直に各人と直に向き合えばいいのです。そうすれば、各人の人となりを、レッテルによる決めつけではなく、ちゃんと知ることが出来るでしょう。


レッテルに頼り、相手に向き合えないのは、愚かです。安直に悪用しているから、そういう色を付けたがる層に、付け入る隙を与えてしまう。
私は、向き合いたいのは相手自身ですから、そんなレッテルはさっさと捨ててしまうに限る、と思います。

*1:その時期の流行に合わせた表現の使用。

*2:勿論、各世代の過去の名称を持ち出すのも同様なので、他の命名内容も同じです。自分の世代には使わないが、他世代には使う、なんてダブルスタンダードに陥らない事。