luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

映画「スパイ」の紹介記事に違和感を覚える。「女性だから、問題を総て解決」は明確に誤り。

映画は面白かったので、紹介記事の「走り過ぎ」が色々と残念です。なお、今回はネタバレはありません。
映画『SPY/スパイ』レビュー「速報!男には世界を救えません」 が、それです。そもそも、タイトルが煽ってますね。
記事は揶揄なのかもしれませんが、女性であるからこそ、問題を解決できる、と主張したいようです。

女性に任せてみれば案外うまくいくのかもしれない。いや、少なくとも今よりよくなることは間違いないだろう。

http://beagle-the-movie.com/movie-spy-review-2015.html

勿論、女性の評価が時に正しく行われていない事態があるのは認めますが、だからといって、そこから極端な女性優位の評価を引き出すのは無理があると思います。本当に明確に問題を解決できるのであれば、女性を登用しないでいるほど、現在の状況は女性無視という事はありません。
女性が正しく能力を評価されていないのは、社会的な能力発揮の場所が、必ずしも女性の行動の条件に適合していなかったり、そこまで女性側の能力の優秀性が秀でるほどではなく、ほぼ男性と同等であったり、経験不足などの点から時には男性よりも劣る場合があったり、という事だと思います。
それほど精密に男女の能力比較を行う事は出来ないと思うので、これは大雑把な推測ですが、男女を比較した場合、ほぼ同等の力を有する、というのが妥当な判断ではないかと思っています。


基本的に能力評価と言うのは、男女の属性を考えずに純粋に能力比較をすればよいと考えているので、妙な男性優位論と同等に、妙な女性優位論も害があると考えています。
一番嫌なのは、本当に能力に問題があったり、要求される能力を発揮せず、別の事をやってしまうので、あまり評価されていない女性が、「私は女性故に評価されていない」と思い込む事です。
問題行動を修正すれば高く評価されたはずの女性が、妙な思い込みから行動の照準を誤り、評価も下がっていく姿を見ると、安易な性別論争に陥る事の不毛さ、罪深さを感じてしまいます。


なお、記事の主張は変ではありますが、映画自体はとても面白いですよ。
ただ、これを非常に優秀な女性が虐げられて能力を発揮できないでいるのを描いた映画、という風に観る事は出来ないです。映画の筋としては、そこまで優秀と言うよりは、ご都合主義的な物語展開ですし...。