luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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人間、この信じやすきもの

タイトルは、T.ギロビッチの著作ですね。
人間は、実は何もない処に答えを見たり、間違った知識で信念を語ったりする、信じやすい存在なのである。
例えば、会社にて面接をし、その人物を分析する。しかし、採用した人物については語れても、採用しなかった人間については永遠に語れない。
書籍ではあまり言われていないが、世の中で、採用しなかった人間をひどく悪く言うのは何故なんでしょうね。これも、まさに「それを信じたいから」だと思う。
また、採用した人間が何かをやらかした時には、それが会社内部の何かが原因しているとは、あまり言われない。その本人に原因がある、とされたりする。
でも、良く考えて欲しい。新しく来た人間が、失敗した時に、本人が要因である場合って、本当に多いのだろうか。それって、会社の何らかの問題が、新人の行動で表面化しただけ、という事は無いだろうか。
良くありがちなのは、その会社には、文書化されていない経験知みたいな内容があり、それをマスターしていないと失敗するような会社の事情があった場合、新人はマスターしていない場合には、失敗を経験する。しかし、これはマスターしていない場合にのみ顕在化するから、その新人がいったん生き残ってしまえば、もう起きない。それを本人の能力と間違えて認識すると、その会社の属性を、本人の能力と取り違えて認識する事になる。
「最近は新人採用もないから、うちはそんな事ないよ」と、おっしゃる方も多い。しかし、その会社には、派遣社員契約社員はおられないのでしょうか。
私は、上記の新人が引き起こす類似の例を、派遣社員や新しくやってきた短期採用の人が起こして、新人とまったく同じ事を言われ、下手をすると辞めさせられたケースを沢山知っています。新人はいないけど、類似の状況で、同じことをやっている訳です。


会社や学校って、意外に「信じられやすい嘘で、他人を批判する事」が結構行われているので、本当にそれが事実なのか、ちゃんと因果関係があるか、実は逆の因果関係だったり、まったく関係が無かったりしないか、ちゃんと見極める必要があります。
「信じられやすい嘘で、他人を称賛する事」もいっぱい行われているので、色々悩ましいですが。
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