「ゲイだ」とばらされ苦悩の末の死 学生遺族が一橋大と同級生を提訴
「アウティング」の典型例
自ら望んで、同性愛者だと告白することを「カミング・アウト」という。一方、同性愛者だということを、勝手にばらされることを「アウティング」という。
この事件は「アウティング」の典型例だ、と代理人の南和行弁護士はいう。(中略)
Zくん側は裁判で「恋愛感情をうち明けられて困惑した側として、アウティングするしか逃れる方法はなく、正当な行為だった」と主張してきたという。
(中略)
「Aくんは、『男が男を好きになるのがおかしいんだからしかたない』といわんばかりの対応に、苦しめられていたのです」
https://www.buzzfeed.com/kazukiwatanabe/gay-student-sued-hitotsubashi-university?utm_term=.xwwMd7W8z#.ei2mKR3Ol
裁判の主張ですので、強調され過ぎている可能性*1はありますが、あまりに不適切な主張と考えます。
恋愛感情を打ち明ける、というのが相手に困惑を呼ぶのはあり得ると思いますが、相手が異様に粘着するとか、行動に問題ある場合を除いては、「アウティングするしか逃れる方法はなく」なんて事は無いはずです。
この主張を素直に取れば、相手の知られたくない、マイナーな性的志向を周囲に周知させなければ、この問題から逃れえなかった、という主張になりますよ。
相手の行動を封じるのに、その行動が社会的にあまり好意的に取られない事実を利用する、なんて事が普通の恋愛行動で許されていいのか？ いや、明らかに許されていないと思う。
当事者の恋愛感情ですから、その内容に踏み込みませんが、事件の被害者は、なんかとても社会的に不適切な行動をする相手を、恋愛感情の相手に選んでしまったのかも知れない。
ちなみに、この件、ゲイという内容があるので、同性愛的な視点で語られるウ内容も多いと思いますが、例えば、これが異性愛として、男女間の問題となったとしても、告白相手が周囲に、その事実を触れ回る、みたいな事をするのは、私は社会的に不適切な行動だと思いますよ。
ただ、異性愛の場合には、それなりに冗談で話題を流してくれる人が多いので、まあ、許容される場合もあるのかも知れません。が、私は、デリケートな状況だったりしたら、異性愛関係であっても、告白の事実を周囲に触れ回る行為は、決して好意的には捉えません。
それは告白された相手が、告白という行為からくる、相手への従属的になり得る関係性の優位に奢った、告白対象のハラスメント的な行為でしょう。例え、異性間でもそう考えますので、同性間だった、と考えるに、あまりにも理不尽な行為であった、と思いますよ。
*1:裁判での主張の必要性から、穏やかな主張が強い主張に転じているのは、当事者の主張としてはあり得ると考える。
