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裁判の法務に関わると、見聞きする陰謀論脳の人々

河野真樹の弁護士観察日記 利用者の「疑念」と「妄想」より引用。

弁護士や司法の利用者の話のなかには、しばしばそれらに対する強い不信感が登場します。そして、その多くは、全体的な社会的信用度にかかわるものというよりも、自らの不利な状況が、かかわった弁護士、裁判官らの癒着や不正に起因しているという疑念に基づくものととれます。まるで自分を陥れる大きな陰謀が、彼らのなかでめぐらされているといった調子のものもあります*1

http://kounomaki.blog84.fc2.com/blog-entry-967.html

はい。私も多数目撃しています。一般の方々には、あまり知られていないようですが*2
私も法務業の傍らで長年仕事をしてきて、特に裁判などの争議事例に関し、周囲人物を陰謀加担者に仕立て上げる人物の大声に、関係する人々が辟易している情景を沢山見聞きしてきました。
弁護士への相談、特に法律無料相談の一部は、そういう方々の趣味?とも言える行動の標的になっており、弁護士会での情報交換として、要注意人物情報が話されたりしています。
弁護士会へ通報される懲戒申請の多くは、こういった妄想の類も多いです。また、本当に法律行為を知っていれば、それはそもそも懲戒行為になり得ない事実*3があっても、それを知らず、それ故に、元々ある妄想癖が加味されて、懲戒申請に及んだりする人も方も居ます。
懲戒申請に対する、実際の処分の少なさは、実はそんな実態を表していたりします*4
内情知っていたりすると、互いに陰謀を噂される人が、実施には互いに言葉で丁々発止どころか、血みどろの喧騒を繰り広げていたりして、それ故か、実際の生活の相手への精神的感情までが、それに毒されたりしている姿を見ます。なので、どっちかというと陰謀とは逆のベクトルが、つまりは争議による実態への悪影響の方が、どう考えても大きいように見て取れるのですが*5
なお、この妄想、明らかに定型的な精神疾患の類型の様相を示している場合も多いです。このため、実際には診療をしないと実際の状況は分かりかねますが、本当は法曹のアドバイスではなく、医療者からの治療を一番必要としているのではないか、と思われる方々も明らかに居ます。このため、法曹が懸念する妄想の一部は、医療的治療を要する患者発言そのもの、という場合も、ままあります。
このため、医療者で、そういう場所*6に足を踏み入れる事がある方が居ましたら、そんな実態にも目を向けて頂けたら、と思います。

*1:該当ブログの引用部分以外では、実態的にそう見えそうな関係の存在可能性に、あまり強い印象とはならないまでも触れていますが、実質的に語られる「陰謀」で存在を証明されたもの、あったのでしょうか。私が記憶する限りは存在していないです。なので、もし希少なれど、それが存在しているのであれば、それはどんな内容か知りたいですね。「妄想である事を否定する根拠」を、知りたいです。

*2:実は、一般の方々でも、裁判関係の施設に立ち寄る事があれば普通に目撃するほどには、ありふれてますが。

*3:常識的に法務業務として普通の合法的行為だったりする。一般的法律対抗行為。

*4:それ以外でも、争議を起こされた人物が勝手な理屈を元に、相手への威嚇を込めてか、懲戒申請に言及する事もありますね。弁護士会自身の法のバランスの考え方からすれば、片一方に加担して判定を行うことなど考え難く、実際には法律行為の合理性に基づいて裁可されます。このため、そういう申請は却下されるのが普通ですが、何故かそれを見て、陰謀を言い出したりする人も居ます。ここまで来ると、その人は精神のバランスを失っている、と思考せざるを得ません。

*5:実際に、互いに仲の悪い状況もありますし、争議しているうちに、特に仲が良いわけでもないが、悪いわけでもない方々が、普段の生活でも険悪になっていく情景なども目にします。お互いの先生を知っていたりすると、時に、居たたまれない気持ちになったりもします。陰謀を妄想する人は、そういう実態を決して目撃しませんが。

*6:普通に目撃できる場所は、一般に争議を起こした方々が公的に利用できる場所です。いわゆる裁判所の各所、各施設。または、法資格関係者の利用施設など。なお、私の経験では警察関係者の方々からも、困った実態をお聞きする事もあります。警察内部では良く、「ああ、あの方ね、」みたいな話し方をされている事が多いですが。