luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

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ホログラムの医師は、トリアージをどう捉えるか。

今回の内容は、ネタバレの内容を含みます。

STAR TREK VOYAGER での船医は、事情によってホログラムな訳ですが、彼が医師のトリアージの苦悩に直面するエピソードを扱ったものとして「Latent Image」があります。
Latent Image (episode) - Memory Alpha - Wikia から。

When The Doctor discovers evidence that his memory files may have been tampered with, it sets in motion a chain of events that lead to the recollection of the death of a crew member, one The Doctor believes he was responsible for.

http://memory-alpha.wikia.com/wiki/Latent_Image_%28episode%29

死に瀕した患者が複数いた時に、生存の可能性がある患者を優先し、必要リソースが不足した事態を解決するのが、トリアージの手法です。
これは、非常事態の人間の医師にとっても、少なからず大きなストレスになり、時には本人を大きく害する場合もあるでしょう。
それがプログラムの算出結果であったのなら?


プログラムは人格を持ちません。故に悩む事も無いのですが、ホロドクターは人格サブルーチンを付与し、成長を続けているという設定です。
彼は自ら判断し、一人を救いますが、一人を見捨て、その結果として、プログラムに大きな問題が発生します。堂々巡りの思考ループに囚われてしまったような描かれ方をしています。
最後まで観ても、最終的な結論の記載はないので、普段の思考の中に残り続ける、ずっと悩み続ける内容なのではないか、と推測します。


私自身は、それで良いのではないかな、と思います。
人間の医師もそうですが、簡単に納得できる結論などは出ない筈。時々思い出して、思考を反芻し、日常の生活に支障の出ない範囲で悩んでいるのではないのかな、と思います。


それが、普通の人間の心であり、ある意味では、人工知能が人格を持つに至っても、類似の事が起き得るのではないか、と思っています。