luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

とある amazon レビューに見る、ありふれた未熟者たちの風景。

twitter で紹介されてました。

https://pbs.twimg.com/media/CbfBuPZWEAAeGju.jpg
この文章自体は、実際にまだ掲載されていて、Amazon.co.jp: 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の 風松吉さんのレビュー【未熟文学】 で、読めますね。少し対象の文章部分を変えますが、私の記事で引用してみます。

自分のしていることおよび感じていることは「正しい」と思っている。

そして、これが最大の問題ですが、
・自分は傷つきやすいにもかかわらず、他人の痛みにはおそろしいほど鈍感。

裏切られた婚約者のことなど一度も考えたことがないようです。これは1Q84の青豆や天吾も同じです。自分に殺された人や、人妻GFの旦那の気持ちなど考えたこともないに違いありません。
上記のような特徴はひとことで「未熟」と言い表せると思いますが、実際にこのような人は周囲にかなりの頻度でいます。「村上作品の主人公に感情移入できる」という人たちだと思います。現実にはこのような人たちは、その未熟さゆえに、上司や先輩と常に齟齬や摩擦を起こしています。本人は「自分は正当に評価されていない」と感じており、40歳近くにもなって、職場と転々としたり、結婚したり離婚したり、大概満足できる状況を得られていません。

http://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R3935WLINCZXD6/ref=cm_cr_pr_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=4163821104

上記のような未熟者が、現実社会とは違い、多くの理想的な要素と、理想郷のような環境に恵まれ、幸福に暮らしていけている。そんな要素が、かならず存在している、と指摘していますね。
実際、そんな例は周囲に普通に居て、実際の職場の管理者や、先輩、年配者からは苦々しく思われているのではないでしょうか。書籍の描写のように幸せな人生ではないでしょうけど。


例えば、これは私の管轄の職場にも居ます*1が、自己の能力の内容は棚に上げ、職場に存在する瑕疵に対して、朗々と言及する人。
何故か、それを同僚が黙々と校正、訂正し続けている事に対しては、言及しませんが。もしくは、それを実際に生じさせしめている、現実に起きた何かのしわ寄せや、齟齬、軋轢の事情には言及しませんが。または、自己に内在する、類似の問題点については言及しませんが。
本来は朗々と語るまでもなく、周囲の人が黙々と対処していて、語る時間も惜しい、と思っていたりしませんか。もしくは、何でそんな分かりきった事を繰り返し語っているんだ、と思っていたりしませんか。
後輩の叱責をやたらと大きな声でする人なのに、自分の失敗に妙に無関心*2。自分の言い訳も、大声だったりします。
また別の人は、歳をとっても、異様に子供のような口調、行動が気味悪かったり。単に口調だけなら笑い話で済みますが、行動、判断がそのままですとシャレになりません。まさに「未熟」です。


最近でも、こんな話がありました。
とある別の現場の特徴を話し、その理想的な側面を強調していたのですが、その人の属性は、その現場に受け入れがたい属性だったのですね。私は、その人を傍目で見つつ、「貴方は絶対にその現場には呼ばれませんよ」と思っていました。言及したところで、本人は受け入れないでしょうから、黙っていましたけど。
何故か、自分が相手に不快さを味あわせる事について、仕方がない、とか独り言を言っていた人もいましたけど、現実に感じているのは「相手」なので、勝手にその人以外が断じる事は出来ません。実際に問題を解決するのであれば、本人と対峙するなり、自分が行動を訂正するなり、何らかの行動をする必要があります。しかし、それはしないのですね。
そこに到達するまでは、未だ「未熟」と称されるのではないのでしょうか。


勿論、現実世界ではなく、書籍の中の空想世界なのですから、現実と同じ世界観である必要はありません。ただ、古くから、本の世界に逃避し続ける事は、現実の世界の問題解決を遅らせ、時に手遅れにさせる、と警告される事項でもありました。あまりに耽溺し、世の中の現実を見失うのは、あまりその人自身にとって、良い事とは言えないのではないでしょうか。
現実は、大変な事も多いですが、努力した内容が報われることも、公平な内容ではない*3とはいえ、存在します。それをしないで、そういう世界に逃避し続けている事こそ、未熟で居続ける要因だと、私は思います。

*1:類似の描写は、皆さんの周囲にも例に事欠かないでしょう。それ程までにありふれています。

*2:自分の怒りには敏感ですが、他人の怒りには異様に鈍感。

*3:ここを強く考えてしまうと、公平世界神話の心理に陥ってしまう。