luckdragon2009 - 日々のスケッチブック(Archives)

luckdragon2009 - 日々のスケッチブック [過去記事]

自己思想に固執する、認知不協和とリバウンド効果。解決は、俯瞰視の客観的施策。

余裕が無いという事は、余裕がある人にはなかなか分かりません。 - luckdragon2009 - 日々のスケッチブック
自己経験が無いと、他者の余裕の無さからくる苦境の不可避さが分からないという話をしました。
それを実感できない人に、このような層への社会的な支援が必要で、このような把握されてない状況を打開する必要がある、と説いても、自己の認知を改める事は難しいと思います。


今、これについて思いついている、心理的背景要素は二つあります。
まずは、「認知不協和」です。
認知的不協和とは?意味と具体例−自分の間違いは認めたくない心理 から引用。

人は自分の信念や、それまでの行動内容とは矛盾する、"新しい事実"を突きつけられると、"不快な感情"を引き起こします。その結果、自分の信念や行動と、"新しい事実"のどちらか一方を否定して、矛盾を解消しようとします。これを認知的不協和と呼びます。そのとき、信念を変えることが困難な場合、人は"新しい事実"の方を否定しようとします。

http://ronri2.web.fc2.com/hanron17.html

きっと、この報道を見た時に、自己の事実認識が誤っていたと思えない、自己の信念を変えることが出来ない人は、何らかの理由をつけて、この報道の事実を打ち消そうとするか、報道の情報の中に、自分が否定する理由に足る、何らかの情報を見出すでしょう。
内容は人によってさまざまなので、ここではそこには触れませんが、その場合には、本人の信念は変わりません。


もう一つは、「リバウンド効果」。
シロクマのリバウンド効果(皮肉なリバウンド効果)|ブログ|税理士吉田久子事務所 から引用。

ダニエル・ウェグナーという心理学の教授が行ったある実験で被験者に「これから5分間、シロクマのことを考えないでようにしてください」と指示します。他の事は何を考えてもいいけどシロクマの事だけは考えてはいけないという指示が出たのです。ところが考えてはいけないと思えば思うほど、シロクマのことばかり浮かんできてしまうという結果が出ました。

このことは、不安や憂鬱、ダイエット、依存症に関する最新の研究でも明らかになっていて、頭の中で考えるやらない力は全く効果を発揮しないということです。何かを考えないようにしようとすると、逆に強く意識してしまう。これを皮肉なリバウンド効果といいます。

http://www.hy-tax.com/blog/2013/04/post-205.html

ステレオタイプ思考など、社会心理学実験などでも良く言及されていますが、要は自己偏見を正そうとすると、逆に強化してしまう効果が出てしまう。そういうように考えないように、考えを改めよう、でも、実はそう考えるように自分を仕向けてしまう。
その結果、やはり偏見の存在は変わりません。


なので、そういう各自の心理や、思考に頼って、社会的な解決法を考えるのには、多分、限界があるのです。
自己経験で、余裕の無さの危険性を気付いている人も、他者への対策を考えるには、自己の感覚に頼るのは、その感情にとらわれ過ぎて、解決法を思いつき難い、というのはあるかも知れません。解決方法と言うのは、成功させるために多様な視点が必要ですからね。
そういう部分から考えて、解決法のためには、状況認知の流布、自己認知からの解決法の提示では足りない、と考えます。


さて、ではどうすればよいか?
まずは、解決法が優先だという状況に立ち戻りましょう。各自の偏見抑止、固定化の打破が難しいのであれば、多少の偏見の存在は無視して、そこは継続的に手当てしながら、問題自体の解決への糸口を探る必要があります。
そのために必要なのは、一度、対象から一歩退き、対象を俯瞰視する事が必要です。
実際の問題解決に何が必要項目となるか、どんな方法で問題を解決しようとすると、事態を改善しやすいのか。実質的な行為、実現可能性が高い行為を考察して、立案し、実施する、PLAN → Do → See のサイクルを打ち立てる必要があります。
物事を改善しつつ、ひとまずは実施していくのです。


一度、物事を俯瞰視し、客観的な施策を考えて、それを粛々と実施していく。日本の公務に携わる方々は、案外、この能力は高いように思います。